アート / 歴史

Posted on 2014-02-18
特別展「キトラ古墳壁画」 千載一遇のチャンス、東京で特別公開



キトラ古墳壁画「朱雀」 写真提供:奈良文化財研究所


 Editor:蓬田(よも)修一

2014年4月22日(火)から5月18日(日)まで、東京国立博物館で特別展「キトラ古墳壁画」が開催されます。

奈良県高市郡明日香村のキトラ古墳は、7世紀末から8世紀初めごろの壁画古墳です。

1983年に石室内の彩色壁画が発見され、大きな注目を集め、2000年には国指定史跡に、続けて特別史跡に指定されました。

壁画は、2016年度を目処に、国土交通省が国営飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区内に新設する予定の「体験学習館(仮称)」における保存公開が目指されています。

本展覧会は、これまで進めてきたキトラ古墳壁画の修理と、今後の保存活用の展開を広く紹介するために企画されたものです。

見どころは次のとおりです。

「四神(しじん)」のうち白虎(びゃっこ)・玄武(げんぶ)・朱雀(すざく)、「十二支」のうち、獣の頭に人の体を持つ子(ね)・丑(うし)が、東京初公開です。

キトラ古墳壁画は、これまで修理の成果の一部が飛鳥資料館で公開されたことはありますが、村外で公開されるのは今回が初めてです。また、保存公開のための修理(壁面の再構成)が完了した後は、壁画を遠方へ移動して公開することは技術的に困難になります。

こうした意味で、本展覧会は、東京でキトラ古墳壁画を見ることができる、千載一遇のチャンスといえるでしょう。

キトラ古墳壁画
キトラ古墳石室の内部には、厚さ数ミリの漆喰が塗られ、壁に四神および獣頭人身の十二支、天井に天文図および日月像が描かれていました。

これらはいずれも中国の陰陽五行思想に基づいて石室を一つの宇宙に見立て、被葬者の魂を鎮めるものとされます。

武器を持った獣頭人身の 十二支は守護神的な性格をあわせ持ち、邪悪なものから被葬者を守る意味があるとも言われています。

古墳の築造は、墳丘や石室の形態から7世紀末から8世紀初頭とみられていますが、壁画も同時期に中国で流行した図様を巧みに取り入れながら、優れた技術をもった工人によって描かれたと考えられています。

キトラ古墳が四神の周りに獣頭人身の十二支を描くのに対し、高松塚古墳壁画では、より新しいモチーフとも言われる男女の群像が描かれる点に相違があります。全体に高松塚古墳壁画の線描には洗練された美しさが見られますが、キトラ古墳壁画は、純朴で力強い線描が見るものを魅了します。

特別展「キトラ古墳壁画」
会期
 2014年4月22日(火)から5月18日(日)まで
会場 東京国立博物館 本館特別5室
観覧料 一般900円(800円)、大学生700円(600円)、高校生400円(300円)、中学生以下無料
*()内は前売り・20名以上の団体料金
問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)

開館時間や休館日など詳細は特設サイトでご確認ください。

キトラ古墳壁画「白虎」 写真提供:奈良文化財研究所

キトラ古墳壁画「玄武」 写真提供:奈良文化財研究所

キトラ古墳石室内部 写真提供:奈良文化財研究所


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締め切りは、2014年4月15日24時です。

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