アート

Posted on 2014-12-05
「高松次郎ミステリーズ」 謎めいた現代アート作品を分かりやすく読み解く



高松次郎《No.273(影)》1969 年 東京国立近代美術館蔵
ⓒ The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

Editor:蓬田(よも)修一

2014年12月2日(火)から2015年3月1日(日)まで、東京・竹橋の東京国立近代美術館で「高松次郎ミステリーズ」が開催中です。

高松の作品は、時期によって見かけも素材もばらばらです。そして、そのことが「高松次郎」というアーティストを少し分かりにくくしてきました。

しかし、ばらばらな作品を詳しく見ていくと、いくつかの形や考え方が繰り返し現われることに気づきます。背後に一貫したつながりが潜んでいるのです。

この展覧会では、約50点のオブジェ、彫刻、絵画、および約150点の関連するドローイングによって、世界的な評価をますます高める高松の制作が紹介されます。

展示は、初期、中期、後期の3章で構成。国立近代美術館の3人のキュレーター(桝田倫広氏・蔵屋美香氏・保坂健二朗氏)が、それぞれの章を担当するのも今回の特徴です。

会場構成はトラフ建築設計事務所が担当しました。トラフ建築設計事務所は、建築設計をはじめショップのインテリアデザイン、展覧会の会場構成、プロダクトデザインなど、建築的な思考をベースに多岐にわたる分野で実績を重ねています。鈴野浩一氏と禿真哉氏により2004年に設立されました。

グラフィック・デザインは菊地敦己が担当です。菊地氏は1974年生まれのアートディレクター。青森県立美術館のビジュアルアイデンティティをはじめ。ロゴデザインやサイン計画などを手掛けています。今回の展覧会ではタイトルロゴ、ポスター、フライヤー、カタログなどをデザインしました。

高松を代表する〈影〉シリーズのしくみが体験できる「影ラボ」は、写真撮影も可能です。ほかにも、高松の脳内世界が一望できる「ステージ」、アトリエスペースの再現など、現代美術に親しみが持てるような仕掛けが用意されているのも本展覧会の特徴です。

アーティスト高松の広大な思考世界を追体験しながら、作品に込められた謎を分かりすくひもといていける工夫がされた展覧会です。

展示構成
展示1.「点」、たとえば、一つの迷宮事件 1960-1963(担当キュレーター:桝田倫広氏)
伝説のアーティスト・グループ、ハイレッド・センター(高松次郎+赤瀬川原平+中西夏之)の活動と並行して制作された初期のシリーズ、60 年代初頭の〈点〉と〈紐〉が紹介されます。

2.標的は決してその姿をあらわさない 1964-1970s(担当キュレーター:蔵屋美香氏)
高松を代表するシリーズ〈影〉から、木や鉄による立体のシリーズ〈単体〉〈複合体〉まで、60年代半ばから70年代後半の作品を紹介。ヴェネチア・ビエンナーレ日本館への出品(1968年)など、高松の制作が大きく加速する時期です。

3.それは「絵画」ではなかった 1970s-1998(担当キュレーター:保坂健二朗氏)
70年代後半、高松は「絵画」に回帰します。しかしそれは普通に言う「絵画」とはかなり異なる考え方にもとづくものでした。最晩年の知られざるシリーズ〈異食材〉も一挙公開されます。

高松次郎ミステリーズ
会場
 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
会期 2014年12月2日(火)から2015年3月1日(日)まで
開館時間 10時から17時まで (金曜日は10時から20時まで)※入館は閉館30分前まで
休館日 月曜日(ただし1月12日は開館)、12月28日(日)から2015年1月1日(木)、1月13日(火)
問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
観覧料 一般900円、大学生500円、高校生以下および18歳未満、障害者手帳などをご提示の方とその付添者(1名)は無料。

展覧会公式サイト

高松次郎《光と影》1970 年 個人蔵 撮影:木奥恵三
ⓒ The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

高松次郎《遠近法の椅子とテーブル》1966-67 年 東京国立近代美術館蔵
撮影:上野則宏
ⓒ The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

高松次郎《誕生》1960 年 三鷹市美術ギャラリー蔵
ⓒ The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates


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以下のフォームより、お名前、メールアドレス、ご住所をお書きになり、ご応募ください。

締め切りは、2014年12月25日24時です。

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