アート / 歴史

Posted on 2015-06-10
ロシア先住民が岩に刻んだ古代美術 精神世界とともに紹介


雪の中から浮かび上がるヘラジカ(国立民族学博物館提供)


国立民族学博物館(大阪府吹田市)で、企画展「岩に刻まれた古代美術―アムール河の少数民族の聖地シカチ・アリャン」が、2015年5月21日から7月21日までの会期で開催中です。

この展覧会は、ロシア連邦ハバロフスク地方に暮らす先住民族ナナイの村落であるシカチ・アリャン村に現存する岩面画(がんめんが)について紹介するものです。

ナナイの村落であるシカチ・アリャン村には、考古学では世界的に有名な岩面画(がんめんが)が残されており、地元の住民がそれらに独特の神話を結びつけて、聖なる異物として守ってきました。

それらの神話の中には、日本や中国でも見られる射日神話(たくさんある太陽を射落とす話)や、兄弟始祖神話(イザナギ・イザナミ神話の類)などがあります。

今回の展示では、シカチ・アリャン村で現在見ることができるすべての岩面画(人面、マスク、動物、鳥、船に乗る人々など)が拓本と写真で紹介されます。これらが一斉に展示されるのは世界で初めてです。

また、ナナイの人々は漁業や狩猟、あるいは精霊信仰などの伝統的な生活様式の一部を保持し、伝統的な文様を活かした衣装や工芸品の製作を続けてきました。展示では、漁業に関する文化、服飾、白樺樹皮文化、そしてシャマニズムを中心とした精神世界も紹介します。

なお、本展覧会は新潟県立歴史博物館(2015年9月~10月)、横浜ユーラシア文化館(2015年11月~12月)で巡回開催されます。

企画展「岩に刻まれた古代美術—アムール河の少数民族の聖地シカチ・アリャン」
会期
 2015年(平成27年)5月21日(木)から7月21日(火)まで
会場 国立民族学博物館
観覧料 一般420円(350円)、高校・大学生250円(200円)、小・中学生110円(90円)
2015年6月21日(日)は無料観覧日です。

巡回情報
新潟県立歴史博物館(2015年9月~10月)
横浜ユーラシア文化館(2015年11月~12月)

拓本(ヘラジカ)(国立民族学博物館提供)


冬のアムール河での穴釣り(国立民族学博物館提供)


蓋付き白樺容器(国立民族学博物館提供)




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