アート

Posted on 2015-12-11
特異なエロティシズムで女性を描く画家「クラーナハ展」(仮称)



2016年(平成28年)2016年10月15日(土)から2017年1月15日(日)まで、東京・上野の国立西洋美術館で、「クラーナハ展」(仮称)が開催されます。

ルカス・クラーナハ(父 1472 – 1553 年)は、いまから500 年前のドイツを生きた画家です。激動の只中にある16世紀前半のドイツで、時代の揺れ動きを誰よりも敏感に察知し、また誰よりも鮮やかに体現しました。

宗教改革期という禁欲の時代にありながら、彼はヴィーナスやルクレティア、ユディットやサロメといった物語上の女性たちを、特異なエロティシズムとともに、淫らにして軽妙な、艶っぽくも醒めた、独特のイメージでくりかえし描きました。それらはイタリア・ルネサンスの理想化された身体表現の規範を逸脱し、見る者の欲望をきわどく刺激します。

彼の作品は、退屈な伝統には満足しない近代以後の前衛アーティストたちを惹きつけ、特に表現主義やシュルレアリスム以降の芸術家──エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー、パブロ・ピカソ、森村泰昌、ジョン・カリンらは、クラーナハの絵画に触発され、それを自身の作品をつうじて近現代に甦らせてきました。

日本初のクラーナハ展となる本展では、そのような画家が生んだ作品群を、同時代の社会や政治の状況などと照らし合わせながら読み解き、彼の死後、今日までの影響も明らかにするものです。《ホロフェルネスの首を持つユディット》が2年間の修復を経て初来日するのも見どころです。なお、本展は大阪での巡回開催される予定です。

クラーナハ展(仮称)
◆東京
会期
 2016年10月15日(土)から2017年1月15日(日)まで
会場 国立西洋美術館 
◆大阪
会期
 2017年1月28日(土)から4月16日(日)まで
会場 国立国際美術館 




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