アート

Posted on 2016-07-14
ヴェネツィア・ルネサンス絵画を一望できる貴重な機会「アカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」




ジョヴァンニ・ベッリーニ 《聖母子》、通称《赤い智天使の聖母》 油彩/板 アカデミア美術館

巨匠ティツィアーノの大作《受胎告知》も特別出品
2016年(平成28年)7月13日(水)から10月10日(月・祝)まで、東京・六本木の国立新美術館で「日伊国交樹立150周年特別展 アカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」が開催されます。

アカデミア美術館の前身「絵画・彫刻・建築アカデミー」は、まだヴェネツィアが共和国だった1750年に設立されました。

その後1979年、ナポレオン軍の侵攻により共和国は崩壊。18世紀末から19世紀初頭にかけては、フランスとオーストリアに交互に領有されます。

1805年、ヴェネツィアはフランス支配下のイタリア王国に併合。1807年に「絵画・彫刻・建築アカデミー」は「王立美術アカデミー」と名称を変え、教育のため所蔵作品を展示することが、その使命に加えられました。

これを機に、場所をサンタ・マリア・デッラ・カリタ修道院とその同信会館内に移転させ、作品を展示できるよう、建物の改修を行いました。そして1817年、初めて一般に公開され、「アカデミア美術館」が誕生したのです。現在、14世紀から18世紀にかけてのヴェネツィアの絵画を中心に、約2000点のコレクションを有しています。

今回の展覧会では、同美術館から選りすぐられた約60点の名画によって、15世紀から17世紀初頭に至るまでのヴェネツィア・ルネサンス絵画の展開を一望します。

ジョヴァンニ・ベッリーニからクリヴェッリ、カルパッチョ、ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼまで、巨匠たちの傑作が一挙来日します。

また、ヴェネツィア盛期ルネサンス最大の巨匠ティツィアーノが晩年に手がけた、縦4mに及ぶ大作の祭壇画《受胎告知》(サン・サルヴァドール聖堂)が特別出品されるのも、大きな見所のひとつです。

ヴェネツィア絵画の歴史の中でも、ルネサンス期に焦点を絞った展覧会は、国内ではほとんど例がありません。ルネサンス発祥の地であるフィレンツェの美術から影響を受けつつも、独自の発展を遂げたヴェネツィア・ルネサンスの歴史を一望できる貴重な機会です。

なお、本展は大阪市・中之島の国立国際美術館で巡回開催される予定です(会期:2016年(平成28年)10月22日(土)から2017年(平成29年)1月15日(日)まで)。

日伊国交樹立150周年特別展
アカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち
会期
 2016年(平成28年)7月13日(水)から10月10日(月・祝)まで
会場 国立新美術館 企画展示室2E
観覧料 一般1600円(1400円)、大学生1200円(1000円)、高校生800円(600円)、中学生以下無料
※( )内は前売および20名以上の団体料金

〈巡回展情報〉
会期
 2016年(平成28年)10月22日(土)から2017年(平成29年)1月15日(日)まで
会場 国立国際美術館

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《受胎告知》 油彩/カンヴァス サン・サルヴァドール聖堂

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《聖母子》、通称《アルベルティ―ニの聖母》  油彩/カンヴァス アカデミア美術館

パオロ・ヴェロネーゼ(本名パオロ・カリアーリ) 《レパントの海戦の寓意》 油彩/カンヴァス アカデミア美術館

ヤコポ・バッサーノ(本名ヤコポ・ダル・ポンテ)の工房 《ノアの方舟への乗船》 油彩/カンヴァス アカデミア美術館

ヤコポ・ティントレット(本名ヤコポ・ロブスティ) 《サン・マルコ財務官ヤコポ・ソランツォの肖像》 油彩/カンヴァス  アカデミア美術館

展覧会レビュー

今回の展覧会には、ヴェネチア絵画の黄金時代に描かれた作品が並びました。写真で会場の様子を紹介しましょう。※2016年7月12日に開催された報道内覧会で撮影

大胆で劇的な構図が持ち味
ルネサンス発祥の地であるフィレンツェの画家たちが、明快なデッサン、丁寧な着彩、整然とした構図を得意としたのに対して、ヴェネチアの画家たちは自由奔放な筆致、豊かな色彩表現、大胆かつ劇的な構図を持ち味とし、感情や感覚に直接訴えかける絵画表現の可能性を切り開いてきました。

下の写真、絵を見ている女の人の前にある作品は《キリストの降誕》、その左の作品は《キリストと姦淫の女》です。

《父なる神のサン・マルコ広場への顕現》(左の作品)。画面上部には、老人の姿をし、両腕を広げた父なる神が描かれています。隣の《受胎告知》では、大天使ガブリエルがイエスの受胎を告げ、マリアは読書を中断して目を伏せています。

今回の展覧会の目玉、高さ4mを超す、ティツィアーノ・ヴェチェッリオの《受胎告知》。1部屋を使って、この1作品を紹介しています。

写真からも分かるように、高い場所に展示されていて(手前に人の頭が見えています)、聖堂に飾られている雰囲気を体感できます。

下の写真、男性が見ているのは《眠るヴィーナスとキューピッド》。ヴィーナスが豊満な裸体を、赤と白の高級な織物の上に横たえています。

次の写真、右側の絵は《動物の創造》。世界創造の第5日目、水の生き物と鳥が創造された場面と、第6日目、動物の創造の場面が描かれています。その左の絵は《アベルを殺害するカイン》。

右の縦長の絵は《聖母子と聖ドミニクス、聖ヒアキントゥス、聖フランチェスコ》。画面上部に聖母子が見えます。左側の絵は《キリストの復活》。

下の写真のように、官能的な作品も展示されています。左側の一番大きな作品は《プロセルピナの略奪》。

下の写真は、展覧会の最終章、肖像画のエリアです。肖像画は自然主義的な描写にたけたヴェネツィアの画家にとって、得意とする分野でした。

以上、「アカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」の会場風景でした。ヴェネツィア・ルネサンスの神髄にぜひ触れてみてください。




■■■■たくさんのご応募ありがとうございました。締め切りました。「日伊国交樹立150周年特別展 アカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」(国立新美術館)招待券プレゼント■■■■


開催を記念して、国立新美術館で使うことができる「日伊国交樹立150周年特別展 アカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」の招待券を、Media & Communication読者の5組10名様にプレゼントいたします。

以下のフォームより、お名前、メールアドレス、ご住所をお書きになり、ご応募ください。

締め切りは、2016年(平成28年)7月12日24時です。

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