アート

Posted on 2016-09-20
「驚きの明治工藝」展 自在龍の超絶技巧を間近に




台湾「宋培安コレクション」で構成
2016年(平成28年)9月7日(水)から10月30日(日)まで、東京・上野公園の東京藝術大学大学美術館で「驚きの明治工藝」展が開催中です。

明治時代を中心とした日本の工芸作品は、細密、写実的な表現で近年人気が高まっています。今回の「驚きの明治工藝」展は、明治時代の工芸作品を中心に、そのもととなった江戸時代後期から明治時代の影響が及んだ昭和初期までの作品を展示し、その驚くべき表現や技術を紹介します。

日本では彫刻をはじめとした立体的な造形は仏像が中心であったため、理想とする姿を顕在化する傾向が長く続きました。しかし、江戸時代になると、工芸の世界では動物や植物の姿を写実的に捉え、それを再現する作品が見られるようになります。

そのひとつが自在置物です。鉄や銅などで龍、蛇、伊勢海老などを写実的に作り、しかもそれらの動物の胴や手足などを動かせる機能までも再現した置物です。会場にはこの自在置物をはじめとする貴重な明治時代の工芸作品が展示されています。

同展には約130件もの名品が展示されていますが、こららの作品はすべて台湾の「宋培安コレクション」からのものです。宋培安氏は漢方の薬剤師で、健康薬品の販売や生命科学の講座なども開設しています。「宋培安コレクション」は、台湾における最も大規模な日本工芸コクレクションで、収蔵品は3000点にも及びます。宋培安コレクションには、現在の日本ではあまり見ることがなくなった自在置物やビロード友禅なども含まれています。

「驚きの明治工藝」展
会期
 2016年(平成28年)9月7日(水)から10月30日(日)まで
※会期中、一部作品の展示替えあり
会場 東京藝術大学大学美術館
観覧料 一般1300円(1100円)、大・高生800円(600円)、中学生以下無料
※カッコ内は20人以上の団体料金

[Photo Review]
以下は、9月6日に行われたプレス内覧会で撮影した会場のもようです。

《自在龍》です。鉄でできています。


《自在龍》 宗義 明治-昭和時代 鉄 


《自在蛇》《自在鯉》《自在烏》《自在伊勢海老》などは第1章「写実の追求-まるで本物のように-」に展示されています。


《自在蛇》 宗義 明治-昭和時代


 あまりに精巧で、理科室で標本を見ているような気分になるかもしれません。


右) 《蝉》 竹江 明治時代 牛角、木、銀
左) 《塩鮭》 加納鉄哉 大正10年(1921年) 牛角 彩色


自在もののほかにも、驚きの作品が多数展示されています。




Tags:
Posted in アート | Comments Closed

Related Posts