アート

Posted on 2017-03-27
「アスリート展」デザイン視点で紐解くアスリートの強さ


21_21 DESIGN SIGHT(東京・六本木)で、2017年2月17日から6月4日まで「アスリート展」が開催される。
トレーニングを繰り返し、自己の限界を超えていくアスリート。そんな彼らの姿を、デザインの視点から紐解いていくユニークな展覧会だ。
アスリートは日々の鍛錬によって身体能力を高め、自分のセンサーの感度を極限にまで研ぎ澄ませることで、能力の限界に一歩一歩近づいている。
会場ではアスリートの躍動する身体を映像や写真で紹介するほか、身体や心理をコントロールする知覚などを、体感型の展示を通して紹介する。
展覧会ディレクターには、トップアスリートの経験を活かして活躍している為末大氏、デザインエンジニアの緒方壽人氏、研究者/映像作家の菅俊一氏の3名が就任。多方面で活躍するアーティストやスポーツ関連企業も多数参加して展開される。

展示は、アスリートにかかわるさまざまな側面をデザインの視点からアプローチし、以下のような多彩な内容で構成される。
アスリートのダイナミズム
競技前のアスリートの鼓動をモーションキャプチャで表現。アスリートの身体やメンタルなどの要素をインフォグラフィックで紹介する。
驚異の部屋
さまざまな競技の最高記録をプロジェクション映像や立体インスタレーションなどで紹介。
身体トレーニング
アスリートは自己の身体を巧みに察知しながら、からだを動かしている。その様子を疑似トレーニングを通して体感。
メンタルトレーニング
極度の集中状態におけるプレッシャーやマインドコントロールなどアスリートの内面を紹介。
アスリートの写真
アスリートの一瞬を捉えた報道写真や、アスリートの身体的特徴や動きにフォーカスした写真作品を展示。
身体拡張の道具
身体の拡張機能としてのスポーツギアを紹介。
戦術における技術進化
現代のチームスポーツでは、先端技術によるデータ解析と戦術マネージメントが欠かせない。それらが体感できる作品を展示。

会期中はアスリートをテーマにしたトークイベントも開催される。
為末大氏は「私にとってアスリートであることは、行為を行い極めること。アスリート性は誰にでもあるが、手に入れるのに時間や労力がかかる。アスリート展でそれをのぞいてほしい」とコメントしている。
アスリートの強さの知られざる秘密を、最新のビジュアル機器などを通して体感できる貴重な機会。展覧会に行ったあとは、テレビなどでアスリートが競技しているのを見るときも、これまでとは違った視点で楽しめるかもしれない。

企画展「アスリート展」
会期:
2017年2月17日(金)~6月4日(日)
休館日:火曜日(5月2日は特別開館)
会場:21_21 DESIGN SIGHT(東京・六本木)
開館時間:10:00~19:00(入場は18:30まで)
入場料:一般1,100円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
※15名以上は各料金から200円引き
主催:21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
後援:文化庁、スポーツ庁、経済産業省、港区教育委員会
展覧会ディレクター:為末 大、緒方壽人、菅 俊一

「Ironman Champion Chrissie Wellington Human Body Study 1213」 Howard Schatz
(Photograph by Howard Schatz from Schatz Images: 25 Years (Glitterati, Inc. 2015)) 

※本記事は「Ku:kan VOL.07」(発行:アルファ企画/プラット)より転載したものです。




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