アート

Posted on 2017-07-04
知られざるル・コルビュジエの“浮かぶ建築”を紹介する展覧会


パリのセーヌ川にある“浮かぶ建築”「アジール・フロッタン」は、第一次世界大戦の混乱期、パリ市内にいた女性難民の収容を目的として1929年に完成した。これは、世界的な建築家であるル・コルビュジエによって設計されたが、そのことを知る日本人は、建築の専門家などを除いてはほとんどいない。

2017年8月5日から22日まで、この知られざる建築を紹介する展覧会「アジール・フロッタン再生展-浮かぶ避難所 ル・コルビュジエが見た争乱・難民・抵抗-」が、東京・丸の内にあるASJ TOKYO CELLにおいて開催される。

ル・コルビュジエは、石炭運搬船だったコンクリート造りの船体に柱、屋根、水平窓を増築し、近代建築としての理想的空間としてアジール・フロッタンを完成させた。船は今でもノートルダム大聖堂から上流約1㎞のセーヌ川に浮かんでいる。

しかし、老朽化によって本来の機能を失ってしまったが、2005年から5名の建築家が当時の姿に戻す補修工事を行い、今秋には日本から寄贈される桟橋が設置され、2018年から建築として蘇る予定になっている。

今回の「アジール・フロッタン再生展」は、この建築再生を期に開催されるもので、会場にはル・コルビュジエ財団から提供された約90年前の完成当時の資料をはじめ、現在の写真・映像、アジール・フロッタンの巨大模型などにより、知られざるアジール・フロッタンの様子を紹介していく。

入場は無料。ル・コルビュジエの手になる珍しい船の建築を知るうえでも、また難民問題を考える契機としても貴重な展覧会だと言えそうだ。

アジール・フロッタン再生展-浮かぶ避難所 ル・コルビュジエが見た争乱・難民・抵抗-
会期
 2017年(平成29年)8月5日(土)から22日(火)まで
会場 ASJ TOKYO CELL
入場料 無料




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