アート

Posted on 2017-08-17
「運慶」展 日本各地の運慶の仏像が一堂に


国宝 大日如来坐像 運慶作 平安時代・安元2年(1176年) 奈良・円成寺蔵 写真:飛鳥園 


360度全方位からの鑑賞
2017年(平成29年)9月26日(火)から11月26日(日)まで、東京・上野の東京国立博物館で興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」が開催されます。

日本で最も著名な仏師、運慶(生年不詳~1223年)。

その卓越した造形力によって、まるで生きているかのような写実性にあふれる像を生み出し、輝かしい彫刻の時代を牽引しました。

運慶が活躍した平安時代から鎌倉時代にかけては、まさに動乱の時代でした。

治承4年(1180年)に始まった源平の戦いは津々浦々に波及し、やがて政権は貴族から武士へと引き継がれてゆきます。

このようななかで運慶は、平家の焼き討ちによって灰燼に帰した奈良の興福寺や東大寺の復興に尽力するとともに、貴族のみならず新興勢力である東国武士からの依頼を受け、仏像を制作したことが知られています。

運慶は奈良、京都に拠点を置いて仏師の工房を率い、多くの仏像を残しました。

本展覧会は、運慶と縁の深い興福寺の中金堂が約三百年ぶりに再建されるのを記念して開催されるもので、各地の名品が一堂に集められます。

さらに運慶の父である康慶(こうけい)、息子の湛慶(たんけい)、康弁(こうべん)ら親子三代にわたる作品を通じて作風の樹立から次代への継承をたどるとともに、最新の学術研究の成果も盛り込まれます。

展覧会の構成は次の通りです。

第1章 運慶を生んだ系譜―康慶から運慶へ
第2章 運慶の彫刻―その独創性
第3章 運慶風の展開―運慶の息子と周辺の仏師

運慶は生涯に多くの作品を造ったとみられますが、運慶作あるいはその可能性が高いと考えられているのは、30軀前後しかありません。それらは全国各地に分散しているため、大規模な運慶展はこれまで実現しませんでした。

今回は、運慶と縁の深い奈良・興福寺の中金堂再建記念事業として企画されているため、同寺所蔵の運慶の作品が出品されます。

さらに京都、和歌山、愛知、静岡ほか、各地で大切に守り継がれてきた仏像も結集することとなり、史上最大規模の運慶展となります。

展覧会ならではの展示方法でじっくり見ることができるのも大きなメリットです。

国宝「八大童子立像」(和歌山・金剛峯寺蔵)をはじめ多くの作品は、後ろ姿を含め360度全方位から見られるように展示されます。

会場である東京国立博物館平成館のスケールを生かし、国宝「無著菩薩立像・世親菩薩立像」を守るように、高さ2mを超える堂々とした体軀の国宝「四天王像」(奈良・興福寺蔵、南円堂安置)が目の前に立ち並ぶ光景も本展覧会ならではで、新たな運慶の魅力を発見できるでしょう。

興福寺中金堂について
興福寺は和銅3年(710年)の創建で、1300年の歴史を誇る仏教寺院。

その中金堂は伽藍の中心堂宇となる重要な建物で、和銅3年(710年)に創建者である藤原不比等が発願して、和銅7年(714年)に竣工されたものです。

平安時代以降、7回もの焼失と再建をくり返し、江戸時代に再建された堂は、本来の姿にはほど遠く、仮堂として建てられたものでした。

そこで、平成12年(2000年)から、本格的な天平様式の金堂再建が始まりました。

現在建物は95%完成しており、来年10月に落慶法要が厳修される運びです。

興福寺中金堂再建記念特別展 運慶
会期
 2017年(平成29年)9月26日(火)から11月26日(日)まで
会場 東京国立博物館 平成館
観覧料 一般1600 円(1400円/1300円)、大学生1200円(1000円/900円)、高校生900円(700円/ 600円)、中学生以下無料
※( )内は前売/20名以上の団体料金

国宝 八大童子立像のうち制多伽童子 運慶作 鎌倉時代・建久8年(1197年)頃 和歌山・金剛峯寺蔵 写真:高野山霊宝館 

重要文化財 聖観音菩薩立像 運慶・湛慶作 鎌倉時代・正治3年(1201年)頃
愛知・瀧山寺蔵 写真:六田知弘 

(右)国宝 無著菩薩立像 (左)国宝 世親菩薩立像 いずれも運慶作 鎌倉時代・建暦2年(1212年)頃 奈良・興福寺蔵 写真:2点とも六田知弘 

国宝 四天王立像のうち多聞天 鎌倉時代・13世紀 奈良・興福寺蔵(南円堂安置) 写真:飛鳥園 




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締め切りは、2017年(平成29年)9月25日24時です。

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