音楽

Posted on 2018-01-10
進化するテクノロジーとアートの融合「MUTEK.JP2017」




ドームシアターでのIntercity-Express & Synichi Yamamotoのよるプログラム ©MUTEK.JP / Ryu Kasai


新たな才能発掘の場としても機能
電子音楽とデジタルアートの祭典「MUTEK .JP2017」が2017年11月3日から5日まで、日本科学未来館(東京・青海)およびWOMB(東京・渋谷)で開催されました(WOMBは4日のみ)。

「MUTEK」はカナダ・モントリオールで誕生し、現在は世界6都市(モントリオール、メキシコシティ、バルセロナ、ブエノスアイレス、ドバイ、東京)で開催されています。

日本では昨年に引き続き2回目の開催となり、世界10か国から総勢30組のアーティストが参加しました。

来場者数は約7000人で、前回を大きく上回りました。

「MUTEK」とは、MUSICとTECHNOLOGYを掛け合わせた造語です。

MUTEKの創業者Alan Mongeau氏とMUTEK中心人物のPatti Schmid氏およびVincent Lemieux氏は、「MUTEK」の理念や目的について以下のように語っています。

「開催国の文化が発展することが重要で、そのためMUTEKは、出演者の50%を開催国から、残り50%を海外からという制約を設けています。新しいアーティストが発掘できるフェスにしていきたいです。イベントが進化と発展を続けるためには、いろいろな分野から影響を受けることが必要です。常にリスクを背負っていけば、自然と発展していくでしょう。日本におけるMUTEK.JPは、2020年までにカナダと同じ規模にしたい」


「ワークショップ」「ドームシアター」「インスタレーション」「ライブパフォーマンス」などのプログラムで構成された今回の「MUTEK.JP」。それぞれのハイライトを紹介します。

ワークショップ
もっとも多くの受講者が集まったのが、NATIVE INSTRUMENTS JapanとCAPCOMによるプログラムです。

サンプリング技術の歴史、ゲーム音楽の進化が説明され、Biohazard 7 CAPCOM Soundteamによるプレゼンテーションが行われました。

ほかにも多彩なワークショッププログラムが展開され、参加者は楽しみながら、最新テクノロジーに触れることができました。

ドームシアター
会期中、特に人気が集中したのが、ドームシアターのプログラムです。

会場は、普段はプラネタリウムなどの作品が楽しめる空間で行われました。

パフォーマンスを行ったのは、Intercity-Express & Synichi Yamamoto、Maotik、Woulg & Push 1 Stop、Tetsuya Mizuguchi & Ken Ishii(REZ INFINITE SESSION)の4組。

整理券の受付には配布前から行列ができ、キャンセル待ちの列もできるほどでした。

来場者は会場に入ると席に座り、リクライニングを倒し上を見上げます。

目の前には、高精細な映像が映し出され、普段体験できない没入感を味わっていました。

ちなみに、この「没入感」は今回の「MUTEK.JP」のキーワードです。

Intercity-Express & Synichi Yamamotoのみ3Dメガネをかける作品で、残り3組は肉眼で楽しめる作品でした。


インスタレーション
katsuyuki setoの「3D Audio Installation」は、ほかのどのプログラムとも違う雰囲気の中で行われました。

オーディエンスは会場に入るとき靴を脱ぎ、フロアに敷かれたマットに座ります。

目の前には緑が生い茂り、柑橘系のアロマが香るスモークが大量にたかれています。

そして暗転し、真っ暗になります。

鳥のさえずり、水の流れる音、雷鳴などの自然界の音に加え、超低音のエレクトロサウンドが四方八方から聞こえてきます。

その音は目の前を通過したり、どこで鳴っているのか距離感がつかめるほど鮮明です。

急に目の前が明るくなると、そこには祠がありました。

そして宮司が登場し、祈祷を繰り返しました。


ライブパフォーマンス
「MUTEK.JP」の魅力を一番味わえるのがライブパフォーマンスだと言えるでしょう。

大きな注目を集めたのはTetsuya Komuro & Akira Wakitaのライブです。

Jポップの象徴的プロデューサーである小室哲哉氏がどのような音楽を奏でるのか?

ライブは、スクリーンに小さな円が映し出されるところからスタートしました。

円は大きくなったり小さくなったりをゆっくりと繰り返します。

宇宙と地球、物理現象と生命現象、構造と動きの観点から映像が構築されているとのことです。

そのエネルギーを可視化させたものが、小室氏のシンセサイザーミュージックと合わせて変化していきます。

アンビエント的なところから始まった音楽は徐々に熱量を帯び、壮大なものへと変化し、最終的に地球がひとつの生命体であるというふうにも感じられるライブでした。


クラブWOMB
渋谷にあるクラブWOMBでは、クラシックのピアニストでありテクノミュージックも奏でる稀有なアーティストFrancesco Tristanoが出演しました。

ほかにも、Kuniyuki、Guillaume & The Coutu Dumontが出演しました。


3日間にわたって展開された「MUTEK.JP 2017」。

日本のエレクトロニック・ミュージックシーンとデジタル・アートシーンを発展させるためのプラットフォームとして、これから機能していくのではないでしょうか。


海外からもたくさんの人が参加し、多彩なワークショップが実施された。 ©MUTEK.JP / Ryu Kasai




Tetsuya Komuro & Akira Wakitaのライブ ©Suguru Saito / Red Bull Content Pool




katsuyuki setoによる「3D Audio Installation」 ©MUTEK.JP / Yu Takahashi





Posted in 音楽 | Comments Closed

Related Posts