アート

Posted on 2019-03-25
日本の美術品市場規模2460億円 3年連続で増加 「日本のアート産業に関する市場調査2018」


 


「美術品の輸出入動向」「ミュージアムへの訪問状況」も分析
日本最大級の国際アート見本市「アートフェア東京」を主催する「一般社団法人 アート東京(以下、アート東京)」は、約2万人を対象とした「日本のアート産業に関する市場調査2018」を実施し、日本の美術品市場規模は2460億円と推計しました。

アート東京では、同調査を2016年から実施しています。2016年は2431億円、2017年は2437億円で、3年連続で増加となりました。

販売チャネル別に見ると、国内画廊・ギャラリー735億円、次いで百貨店644億円のふたつが主要チャネルです。

また、アートフェア253億円やインターネットサイト180億円は、3年連続で増加傾向にあります。

アート産業に関する市場規模として、グッズやカタログなどの「美術関連品市場」が470億円、美術館入場料や日本各地で開催される芸術祭消費額を含む「美術関連サービス市場」は504億円でした。美術品市場規模2460億円と合わせた総額は、推計3434億円です。

多様なジャンルの美術品で成り立つ日本の美術品市場
ジャンル別の美術品の市場規模は、洋画(548億円)、日本画(436億円)、陶芸(402億円)、版画(294億円)、現代美術(平面)(222億円)と続きます。現代美術については、平面と立体・インスタレーションを合わせると391 億円でした。

日本の美術品市場は、洋画市場が大きく、その一方で、日本画、陶芸、工芸、掛軸・屏風、書など、日本の美術史にひもづいた多様なジャンルによって支えられていることが分かります。生活文化や歴史からの影響を受けている日本の美術の奥深さが調査にも現れていると言えます。

美術品の輸出入動向を貿易統計の数値を元に分析
1990年に6000億円規模まで膨らんだ美術品輸入ですが、1993年以降は500億円未満で推移してきました。2011年以降は再度拡大傾向にあり、2017年は580億円となっています。

また、2006年までは100億円を下回っていた輸出についても、2007年以降、増減を繰り返しながらも拡大傾向にあり、2015年以降は300億円から400億円の範囲で推移しています。

国際経験豊かなビジネスパーソンは約半数が美術品を購入
「国際経験豊か」な、「一都三県在住の20代~50代の就労者」で「過去1年間に2回以上美術館・博物館に訪問した」という条件にあてはまる人々を抽出。アート産業を考える上で将来の指針となる層として「国際経験豊かなビジネスパーソン」(299サンプル)と定義し分析を行いました。

その結果、約半数が美術品を購入した経験を持ち(全体では「美術品を購入した経験」は約16%)、購入したことがない人でも、約3割が購入に関心を持っていました。

また、「芸術的視点は、産業競争力の強化において重要である」「芸術的視点は、自分の仕事において重要である」といった意識が、ほかの人たちに比べて高いこと、さらには若い世代のほうが芸術的視点をよりビジネスと結びつけて考えていることが分かりました。




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