マーケティング / セミナー

Posted on 2011-10-17
クラウド×ソーシャル時代の新ビジネスモデルをテーマにフォーラム JAGATで開催


Writer:蓬田(よも)修一

出版・印刷メディアの新たな可能性に焦点をあてた「次世代ビジネスモデル・フォーラム2011 ~クラウド×ソーシャル時代の新ビジネスモデル~」が、2011年10月14日、東京・杉並区の日本印刷技術協会(JAGAT)で開催されました。

第1部の講演会。プレゼンテーションしているのは、データセクション・橋本大也氏。

フォーラムは、講演会とディスカッションの2部で構成。

第1部の講演会では、今回フォーラムのモデレーターであり、書評ブロガーとしても著名なデータセクション取締役会長・橋本大也氏、富士山マガジンサービス代表取締役・西野伸一郎氏、朝日新聞社 ジャーナリスト学校シニア研究員・服部桂氏、シュヴァン代表取締役・寺田遊氏がそれぞれプレゼンテーションを行いました。

データセクション・橋本大也氏は、海外におけるクラウド活用の最前線事例を豊富に紹介。

従来は課題解決をするにあたって、当事者に膨大な試行錯誤と専門的知識が必要だったものが、現在ではクラウドを活用することによって、全世界の知を活用することができ、短時間に高いレベルでの課題解決が行なえるようになってきているとのお話でした。

富士山マガジンサービスの西野伸一郎氏は、雑誌販売における新しいデジタルソリューションとして、バンドル販売(紙版とデジタル版の雑誌を組み合わせて販売する)、記事のバックナンバーアーカイブなどを提案しました。

朝日新聞社の服部桂氏は、デジタル情報を個人の具体的な行動とどう結びつけるか、言い換えれば、情報提供における「文脈づくり」の必要性について言及しました。

映像の著作権処理を業務としているシュヴァンの寺田遊氏は、著作権とDRM(マネタイズ)の両方をコントロールできることが重要だとのお話でした。

イノベーションを起こすには「Just Do It!」精神

第2部では、講演を行なった4氏に加えて、富士通、アスキー、インプレスを経て、角川書店などの出資で設立したキャラアニの常務取締役・田村明史氏を交えてパネルディスカッションが行われました。

「なぜ電子出版は盛り上がらないか?」というテーマでは、
・そもそも読みたい本が電子化されていない。
・紙と同じ内容を電子化しても興味を惹かない。
・「書籍+ソーシャルネットワーク」などの、これまでにない新しいタイプのコンテンツが必要。
・高・大学生に大人気のバーチャル恋愛ゲーム・ニンテンドーDS「ラブプラス」は、次世代の恋愛小説(恋愛文学)ではないだろうか。
などの意見が出ました。

メディア産業においてイノベーションを起こすには、「Just Do It!」(何かやっちゃえよ!)の考え方が、個人、組織、産業に必要だという声が出され、そのための人材教育の重要性にも話が及びました。

パネラーからの「これまでのメディア産業は、パッケージメディアを作るという意味で製造業だったと言えるが、これからはサービス業としての意識転換が必要で、情熱を持ってやりたい事業を進めることが大切だ」という声に、フロアの参加者は真剣に耳を傾けていました。

第2部パネルディスカッションの様子。


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