マネジメント

Posted on 2013-01-07
2013年頭所感 公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT) 塚田司郎 会長




企業戦略の変更、実現スピードの加速が肝要


公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT) 塚田司郎 会長

公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT) 塚田司郎 会長

新年明けましておめでとうございます。

今年は一体どのような1年になるのでしょうか。昨年を振り返れば、震災後の影響は多くの業界に及び、特にエネルギーコストの上昇は深刻になりました。ユーロ体制の危機もギリシャからスペイン、イタリアへと影響し、世界経済の停滞と円高は、わが国の輸出産業に大きな打撃を与えました。

また、デジタルメディアの浸透はますます加速し、スマートフォン、タブレットは毎月のように新機種が発売されました。印刷のプレーヤーが今後どのようにデジタルメディアとつき合っていくのかについて考えていただく機会として、JAGAT大会の際にジョー・ウェブ博士の本をご紹介し、その後、セミナーも行いました。

JUMPで各地に行った時にもPSPとMSPの違いや、それに必要な能力について触れました。JAGATのスタッフはもとより、広く多くの方に勉強していただいて、時には来社されたメーカーの営業の方たちと本の内容について議論するなど、私としても印象に残りました。

紙メディアから見て、デジタルメディアの浸透と言っても、今日ではPC時代のかつてのスタープレーヤーは振るわず、スマートフォンに代表されるモバイルのメディアへと変わりました。

グーグルの前CEOエリック・シュミット氏は、かつて「PCのもともとの由来はIBMのデスクトップモデルなので、一日中デスクに向かって大量に文字入力する仕事をする人にはうってつけだが、それ以外はモバイルデバイスを使うことになるでしょう」と言っていました。TwitterやFacebook、Google+などのSNSのユーザーが増えて、デジタルメディアもこの変わりようです。

従来の産業は印刷工場を想像すれば分かりやすいのですが、生産量を増やそうとすれば必要な原材料、機械、不動産、労働力にもより多く支出することになり、BEPが上がり、それに見合う規模の経済を達成することで投入コストの上昇を相殺しようとします。それもいつかは逆転して企業の利益は縮小し始め、収穫逓減の法則が働きます。パッケージメディアでは、言葉は紙に印刷され、ソフトウェアはディスクに書き込まれ、物理的に流通せざるを得ません。

しかしながらデジタル商品はコストをかけずに複製できるので、いくら売れても原材料の購買は増えず、さらにネットワーク効果でユーザー数が増えるとともに商品価値も上がっていきます。結果としてインターネットは、情報商品を物理的な流通からも収穫逓減の法則からも解放し、売り上げやユーザー数が増えるにつれて収益も拡大していく収穫逓増を可能にしました。

思っているよりずっと速い日常におけるメディアの変化の経済的意味を考えるなら、グラフィックアーツの価値を高めるなど、企業としての戦略の変更や実現スピードの加速が必要だと思います。今年一年の会員各社のそうした努力がそれぞれに良い結果をもたらしますよう祈念しております。

本年もどうぞよろしくお願い致します。





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