アート

Posted on 2013-11-08
MOTコレクション展「私たちの90年 1923-2013」「つくる、つかう、つかまえる-いくつかの彫刻から」


金氏徹平 《White Discharge (建物のようにつみあげたもの) #4》 2009年 撮影:木奥惠三

Editor:蓬田(よも)修一

現代美術についての理解を深めることを目的に、4500点にものぼる収蔵品を核に、毎回タイムリーで多角的な視点からテーマを設けて紹介する東京都現代美術館の常設展示「MOTコレクション」。

2013年10月3日(木)から2014年1月19日(日)までは、第1部「私たちの90年 1923-2013」、第2部「つくる、つかう、つかまえる-いくつかの彫刻から」の2つのテーマによる展示が開催中です。

第1部「私たちの90年 1923-2013」は、関東大震災から現在に至る90年のあいだ、作家たちは作品を通してどのように世界と向き合い切り結んできたのか、大文字の歴史や出来事とは異なる角度からその試みが紹介されます。

第2部「つくる、つかう、つかまえる -いくつかの彫刻から」は、「つかう」、「つかまえる」という視点から彫刻作品が紹介されるものです。

彫刻とはそもそも、彫る、刻む、削る、のような動詞によって特徴づけられる呼び名ですが、1960年代以降に生まれた一群の作品は、別の動詞、たとえば「つかう」、「つかまえる」といった行為によってより適切に捉えられるものといえるでしょう。

本展ではその中でも、特に1990年代後半より物と行為の関わりをたずねる制作により注目を集めてきた、髙柳恵里、冨井大裕、金氏徹平の仕事に着目しています。

三者三様の立体および写真作品を新収蔵品や特別出品を交えて紹介するとともに、その態度を遡るものとして、野村仁や榎倉康二、デニス・オッペンハイムらの写真作品、カール・アンドレやジルベルト・ゾリオらの彫刻といった60~70年代の所蔵品をあわせて展示し、これら複数の彫刻が切り拓く問いの広がりを考えさせる内容です。

出品作家
第1部
 鹿子木孟郎、吉田博、河原温、尾藤豊、大宮昇、岡本信治郎、草間彌生、栗田宏一、ロイ・リキテンスタインほか
第2部 髙柳恵里、冨井大裕、金氏徹平、野村仁、榎倉康二、カール・アンドレ、ジルベルト・ゾリオ、ギルバート・アンド・ジョージほか

MOTコレクション展
第1部「私たちの90年 1923-2013」
第2部「つくる、つかう、つかまえる-いくつかの彫刻から」
会期 2013年10月3日(木)から2014年1月19日(日)まで
会場 東京都現代美術館 常設展示室 1階、3階
観覧料 一般500円、大学・専門学校生400円、65歳以上・高校生250円、中学生以下無料
問い合わせ ハローダイヤル:03-5777-8600
※開館時間、休館日など詳細は東京都現代美術館公式サイトでご確認ください。


冨井大裕 《鉛筆のテーブル》 2010年 撮影:柳場大

髙柳恵里 《置物セット》 2002年 撮影:志賀伸子

岡本信治郎《東方三賢王の礼拝(聖風景シリーズ)》1964年

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