アート
Posted on 2013-12-26
根津美術館でコレクション展「和歌を愛でる」 和歌にちなんだ名品を展示
Editor:蓬田(よも)修一
2014年1月9日(木)から2月16日(日)まで、東京・南青山の根津美術館でコレクション展「和歌を愛でる」が開催されます。
季節の移ろいや心の微妙なありようを、三十一文字に託して詠んだ和歌は、日本美術と密接な関わりをもち、さまざまなジャンルで造形化されてきました。
人々は和歌を詠み、流麗な手跡で文字に表し、また、絵画や工芸に表現された意匠から和歌を読み解き、茶道具には歌銘を付して新たな価値を見出してきました。
本展は、根津美術館が所蔵する古筆、屏風絵、蒔絵の硯箱、茶道具など和歌にちなんだ名品を集めるものです。
「吉野龍田図屏風」「扇面歌意画巻」「花白河蒔絵硯箱」「鼠志野茶碗 銘 山の端」など、重要文化財9件を含む30件余が展示されます。
見どころとなる主な作品は次のとおりです。
・吉野龍田図屏風
桜は春の吉野、紅葉は秋の龍田川という、古来より和歌に詠まれた名所が画面いっぱいに描かれた6曲1双の屏風です。枝に結ばれた短冊に、『古今和歌集』と『玉葉和歌集』からとられた和歌が記されています。
・扇面歌意画巻
和歌100首と、各歌を連想させる扇面画を100図描いた絵巻物です。修理後初のお披露目で、今回初めて100図すべてが公開されます。
・鼠志野茶碗 銘 山の端(重要文化財)
茶碗の姿を花園天皇の和歌に詠まれた山の端の情景に見立てて銘がつけられました。
・花白河蒔絵硯箱(重要文化財)
蓋表に描かれた桜の下に立つ公達と「花・白・河」の葦手文字から、飛鳥井雅経の和歌「なれなれてみしはなごりの春ぞとも などしら河の花の下かげ」を想起させる硯箱です。
・柿本人麿像(重要文化財)
三十六歌仙の一人であり、歌聖として称えられる柿本人麿。託磨栄賀筆による「柿本人麿像」が、2月4日から16日まで期間限定で展示されます。
平安時代から江戸時代にわたる、和歌と日本美術のさまざまな結びつきの姿を楽しむことができる展覧会です。
根津美術館コレクション展「和歌を愛でる」
会期 2014年1月9日(木)から2月16日(日)まで
会場 根津美術館 展示室1
入館料 一般1000円(800円)、学生800円(600円)、中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
問い合わせ 03-3400-2536
休館日や開館時間など詳細は根津美術館公式サイトでご確認ください。
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