「国際大学GLOCOM 地域SNS研究会」は、地域SNS運営者、開発者、研究者がいっしょになって、地域SNSについて考えている研究会です。
同研究会の調査をもとに、地域SNSの現状についてレポートしてみましょう。
全国の地域SNS数は404ヶ所(2009年2月現在)。
推計でのべ70万人以上が参加しています。
運営主体は、民間企業がビジネス兼地域貢献で設けているケースが多いです。
持続・安定的な運営を目指すため、NPOや個人が企業などと共同運営をしたり、任意団体を結成するケースも多くあります。
参加者の平均年齢は40歳前後。
mixiが20〜30代前半が8割を占めているのに比べ、年齢が高いのが特徴です。
原因は、
・ 参加者の年齢層が幅広い
・ まちづくり等のテーマが、高齢者にも関心を持たれやすい
・ 高齢層が仲間を引き込んでいる
といったことが考えられます。
同研究会では、聞き取り調査やアンケート調査にもとづき、地域SNSを、
・ 人間関係重視 or 情報流通重視
・ 対象とする地域の広さ
という観点から5類型にわけ、運営モデルの分析や将来展望の検討などを行っています。
●類型1 「情報重視」&「広い地域」
新聞、雑誌、WEBなどの地域メディアと連携したり、地域メディアと連動したコミュニティをSNS内に設けることで、地域の情報流通をデザインしようとしています。
●類型2 「人間関係重視」&「広い地域」
SNSの参加に際しては、招待制をとることが多く、敷居の高さが感じられます。
「場」としての信頼感や、結束維持への意識も高いのが特色です。
●類型3 「人間関係重視」&「狭い地域」
日常的に顔をあわせる人間関係を、SNSも使うことでさらに強化し、イベントなどと結びつけることで相乗効果を生み出しています。
●類型4 「情報重視」&「狭い地域」
都市部のビジネス街やショッピング街などで、街を訪れる人々の緩やかな交流や口コミ情報の交換などを目的とするケースが多いです。
この類型の地域SNSは、事例が少ないです。
●類型5 中間
行政が運営する地域SNSに比較的多く見られるケースです。
公式オフ会を、サークルや市民活動の発表の場として開催し、文化祭のように盛り上がるという事例も見られます。
(TEXT/「国際大学GLOCOM 地域SNS研究会」の調査結果資料をもとに作成)