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銀座飛雁閣の極上フカヒレコース 他店とは一線を画するマーケティング手法

銀座飛雁閣は銀座大通りに面したビルの9階にある高級中国料理レストラン。
メインフロアには華麗なシャンデリアが吊るされ、中央に黄色いバラのアレンジメントが置かれる明るい空間。
奥にはグランドピアノがあるほか、マイセンの陶板画やクリスタルなどが展示されています。
わたしたちが慣れ親しんでいる中華料理のレストランとはまったく違う空間です。
こんなお店がどのような宣伝・広報戦略を持っているか知りたくて、「極上フカヒレ」体験フェアのプレス限定試食会に参加してきました。

店内の様子です。

銀座飛雁閣


銀座飛雁閣

エントランス近くには、オリエンタル調のアート作品が展示されています。

銀座飛雁閣

早速「極上フカヒレ」コースメニューを紹介しましょう!

1. 9品の前菜盛り合わせ

銀座飛雁閣

ピータンやカラスミ、タコ、牛タンなど、さまざまな食材が並び、どれから食べるか迷う楽しさがあります。
中でもカラスミは、何度か食べたことがありましたが、こんなにふくよかな味は初めてでした。

2. 極薄皮小籠包

銀座飛雁閣

前菜が終わったころに、絶妙なタイミングで出てきました。
スタッフの方が何度もさりげなくわたしたちのテーブルを見ていたのは、このタイミングのためだったのです。
薄皮で、中にスープがたっぷり入っているのが透けて見えます。
そのまま食べても、添えられたしょうがといっしょに食べるのもおいしいです。

3. 気仙沼産フカヒレの姿煮

銀座飛雁閣

ここでメイン料理が登場!!
原ピレを時間をかけて加工し、上湯ソースで仕上げてあるものです。
香りが素晴らしい!
好みで紅酢をかけます。
なんといっても厚みがあります。
だからすごいボリューム感と贅沢感。
ソースの旨みがしみています。
金華ハムをベースにしている上湯ソースは上品で、透き通った感じといい、コンソメスープのようでした。

4. 車海老のフレッシュフルーツソース添え

銀座飛雁閣

馴染みのある料理、海老のマヨネーズあえも、銀座飛雁閣だとこうなるのか、という華やかさ。
マヨネーズの量も多すぎることなく、フルーツの甘みと酸味が海老を引き立てています。
添えられた花も食べられるのだそうです。
料理は目でも食べるもの。
宝塚歌劇団の方もお見えになるとのことですが、特にこの料理の盛り付けは女性の心を惹き付けます。
もちろん男性にとっても、心はずむ一皿です。

5. 北京ダック

銀座飛雁閣

北京ダックも薄い皮に巻かれます。
普通なら2個つくれる分量だそうです。
あっと言う間に食べ終わってしまった!
このおいしさをもっと味わっていたかったのに・・・・・・。
皮はパリパリ。中に包まれていたソースの旨みも絶妙でした。

6. 揚げ伊達鶏のレモンソースかけタイ風味

銀座飛雁閣

この揚げ鶏は外側はパリっとしていて、中はもっちりやわらかでした。
レモン風味がさわやかです。
中国料理の伝統にとらわれず、タイ料理風味にしあげたところにところ飛雁閣さんの料理に対するクリエイティブを感じます。
ところで、香港では魚や肉はやわらかい状態が好まれており、日本人が食べると「ちゃんと火が通っているか?」と思うほどなのだそうです。

7. トマトの蒸しスープ

銀座飛雁閣

トマトの酸味が、気分をすっきりさせてくれます。
さっぱり上品な塩味です。
この料理の素材であるトマトと玉子は、香港人の好きな食材とのことでした。

8. レタス入りチャーハン

銀座飛雁閣

飛雁閣さんの方針は、小籠包などの皮はなるべく薄く、ごはんも極力添えないとのことです。
それは、ごちそうそのもので満足してほしいから(もちろん要望すれば対応してくれます)。
でも、ご飯類が入ってないと落ち着かない方も多いので、コースにはごはん類もちゃんと入っています。
長米を使ったチャーハン。
お米がひとつひとつパラパラときれいにほぐれ、口に入れると、お米の旨みと具・調味料のおいしさが絶妙に交じり合います。

9. お好みデザート

銀座飛雁閣

台湾マンゴーを使ったものでした。
千層コウにジンをかけサバラン風にしていただきます。
千層が温かいのにちょっと驚きました。
これだけのデザートは、香港や中国の一流レストランでも、なかなか食べられないとのことでした。

「素晴らしいレストランを持つこと(知っていること)は財産」

飛雁閣の思いは、新たな中国料理の文化を、ここから世界へ向けて発信することだそうです。
選び抜かれた食材を使い、トップクラスの料理人が手間を惜しまず料理したものを、最高のおもてなしでゆったりと楽しんでもらう−−それが基本的な考え方です。

誰でも年に1、2回は、ちょっとぜいたくな食事をしたいときがあるはず。
記念日だったり、大切な思い出を作りたいときです。
そういうときに飛雁閣のことを思い出してほしいと言います。
「素晴らしいレストランを持つこと(知っていること)は財産である」
今回、取材対応していただいた飛雁閣の藤本進氏はこうおっしゃいます。
飛雁閣は、一生モノの財産だと、今回の試食をとおして実感しました。

「マーケットは追わない。マーケットはあとからついてくる」

飛雁閣のマーケティングですが、マーケットは追わないと言い切ります。
可能な限りの最上の料理とサービスを提供すること。
そうすれば、マーケットはあとからついてくるというスタンスです。
自店の料理とサービス、そして中国料理の新たな文化を創るということに対する、並々ならぬ自信と思いが伝わってきます。

飛雁閣ではときおり、今回のようにプレスやブロガーを招待し、試食会を開催しています。
ブロガーを招待する理由は、ジャーナリストよりも料理を客観視できていることが少なくないからだと言います。

注目したいのは、アルファブロガーだけを招待しているのではないこと。
無名の一般ブロガーでも、知人の紹介などを通じて招待しています。
飛雁閣を体験・体感してもらって、広めていきたいと考えているので、媒体やブロガーは特にこだわることなく、招待しているのだそうです。

顧客に対して、来店促進のメールも基本的には出しません。
「ただ思い出してもらいたい」
そう言います。
飛雁閣で食事したあと、別の日に違う中国料理のレストランへ行ったとき、飛雁閣との違いを感じてもらいたいのだそうです。
ゆるぎない自信がないと、こうは言えませんよね。
素晴らしい!

ブランディングやメディアの使い方において、他店とは一線を画している飛雁閣さん。
これからも同店のコミュニケーション手法に注目していきたいです。

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ビルの1階にある案内ディスプレイです。
見覚えのある方も多いでしょう

銀座飛雁閣

ビル1階のエレベータホール。
飛雁閣は、9階にあります。

銀座飛雁閣

銀座飛雁閣

(TEXT/宮川由紀子&よも修一 PHOTO/よも修一)

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