かわいい絵柄で人気のトンパ文字。
1000年ほど前に作られたといわれる象形文字で、今でも使われています。
象形文字といえば、エジプトのヒエログリフが有名ですが、トンパ文字はヒエログリフよりも、絵文字に近いのが特徴。
だから、一目見ただけで、どんな意味なのかが、わかりやすいのです。
ひと文字ひと文字が、とても魅力的で、まるでアート作品のようなトンパ文字。
トンパを少し使いこなすだけで、コミュニケーションの幅もぐんと広がります。
まずは、トンパ文字の特色を、あげてみましょう。
●文を読む方向や順番は、特に決まっていません。
●文法的には、かなり「ゆるい」言語です。
●読む人によって、いろいろな解釈が許されます。
●ひとつの文字に、複数の意味を含んでいることがあります。
右は、主だったトンパ文字を書き並べたものです。
それぞれの文字は、こんな意味です。
(1列目左から) ライオン 雨 日の出 歩く
(2列目左から) 夜 愛 口 海
(3列目左から) 泣く 火 メス 茶
(4列目左から) オス 草 跳ぶ 太陽
トンパ文字が生まれたのは、中国南部にある雲南省の麗江という町。
標高2300mの高地にあります。
町並みは、世界文化遺産に指定されています。
麗江では、今でもトンパ文字が使われています。
見ているだけでも楽しいトンパ文字ですが、自分で書いてみると、もっと楽しさが広がります
右は、「吾れ日に吾が身を三省す」という論語の言葉を、トンパ文字で書いたもの。
掛け軸風に、縦書きにしてみました。
言葉の意味は、「1日に何度も自分の行いを反省し、良くない点を改める」。
わたしの座右の銘です。
一番上の文字は「わたし」という意味。
その下は、数字の3。
その下は、「考える」という文字。
3の数字と、「考える」という文字をくっつけて書いて、ひとつのもじのようにしてみました。
わたしのオリジナル・トンパ文字です。
その下、一番最後の文字は、一番上と同じ「わたし」という文字。
こういう風に書くのが、トンパ文字の正しい書き方なのかは分かりません。
でも、書いてみると、とても楽しい。
それに、意外と簡単に書けます。
「正しさ」よりも「楽しさ」。
コミュニケーションにとって大切なのは、「楽しさ」ですよね。
トンパ文字を、世に広く知らしめた人といえば、アート・デザイナーの浅葉克己氏。
これまで、トンパ文字の作品を、いくつも世に送り出し、今でも創作意欲は衰えていません。
そんな浅葉先生の、トンパ文字への熱い想いが凝縮しているのが、このDVD。
トンパ文字のふるさと麗江を訪れた、浅葉先生のドキュメンタリー映像や、世界で始めてという、トンパ文字の発音も収録。
トンパ文字の不思議な魅力を堪能できるDVDです。
残念ながら、現在発売はされていないようです。
企画制作 浅葉克己デザイン室 電通テック
発行元 デジタローグ
発売元 トランスアート
2009年2月、トンパ文字に関する、浅葉先生のトークショーに参加したときに、先生に書いていただいたサインです。
上記DVDのパッケージ(箱)の裏側に書いてもらいました。
(TEXT/トンパ文字/マップ YOMO)