アート

Posted on 2013-10-18
日本初の回顧展「ヴァロットン—冷たい炎の画家」 三菱一号館美術館で



フェリックス・ヴァロットン《赤い絨毯に横たわる裸婦》 
1909年、油彩/カンヴァス、ジュネーヴ、プティ・パレ美術館
© Association des Amis du Petit Palais, Genève
/ photo Studio Monique Bernaz, Genève


Editor:蓬田(よも)修一

日本とスイスが国交を樹立して150年となる記念すべき2014年に、三菱一号館美術館で回顧展「ヴァロットン—冷たい炎の画家」が開催されます(会期=2014年6月14日(土)から9月23日(火・祝)まで)。

本展は日本初のヴァロットンの回顧展であり、オルセー美術館およびフェリックス・ヴァロットン財団の監修による国際レベルの展覧会で、フランス・パリのグラン・パレ、オランダ・アムステルダムのゴッホ美術館に次いで日本で巡回開催されるものです。

フェリックス・ヴァロットンはスイス・ローザンヌに生まれ、16歳でフランスに移住し、19世紀末のパリで活躍した画家です。

白と黒のみの鮮烈なコントラストで表現した木版画によって、ヨーロッパにおける創作版画としての木版画を復活させました。

また、ボナールやヴェイヤールなどナビ派の芸術家たちと交流し、「外国人のナビ」と呼ばれて数多くの油彩画を残したほか、挿絵、批評、演劇と、幅広い芸術分野で活躍し、20世紀以降の芸術にも影響を及ぼしました。

ヴァロットンの作品は単純な線描による正確なデッサン、大胆なフレーミングと平坦な画面構成、洗練された色彩表現などが特徴です。

研ぎ澄まされた観察眼を通して描かれた世界には、神秘的な虚構性や抑圧された暴力性が見え隠れし、その多面性と現代性も魅力となっています。また、浮世絵や写真の影響もみられます。

展示される作品は油彩約60点、版画約60点。肖像画や風景画、風刺画、男女の怪しい緊張関係を暗示する室内画、冷ややかなエロスをまとう裸婦像、神話や戦争を主題にした作品など、個性豊かな作品がテーマに沿って展示され、冷淡な表現の裏に炎のような情熱を秘めた芸術家像が明らかになります。

三菱一号館美術館はヴァロットンの版画作品を187点所蔵しており、《アンティミテ》《楽器》《これが戦争だ》など、希少性の高い連作の揃いを含む重要な作品が公開されるのも大きな見どころです。

国際レベルのヴァロットンの回顧展を日本で見られるチャンスです。

ヴァロットン—冷たい炎の画家
会期
 2014年6月14日(土)から2014年9月23日(火・祝)まで
会場 三菱一号館美術館 
開館時間 10時から18時まで(祝日を除く金曜は20時まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜(ただし、祝日の場合は開館し、翌火曜休館。9月16日、22日は18時まで開館))問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
入館料 当日一般1600円、同高校生・大学生1000円、同小・中学生800円、前売りは1000円(一般のみ)
  
巡回スケジュール 
〈フランス・パリ〉

グラン・パレ 2013年10月2日から2014年1月20日まで
〈オランダ・アムステルダム〉
ゴッホ美術館 2014年2月14日から6月1日まで

展示会サイト

フェリックス・ヴァロットン《ボール》
1899年、油彩/板に貼り付けた厚紙、パリ、オルセー美術館
© Rmn-Grand Palais (musée d’Orsay)/ Hervé Lewandowsky


フェリックス・ヴァロットン《嘘(アンティミテⅠ)》
1897年、木版/紙、三菱一号館美術館


フェリックス・ヴァロットン 《20歳の自画像》 
1885年、油彩/カンヴァス、ローザンヌ州立美術館
Photo: J.-C. Ducret, Musée cantonal des Beaux-Arts, Lausanne


2013年9月19日にスイス大使館公邸で開催された「ヴァロットン―冷たい炎の画家」展プレス発表会のもよう。



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締め切りは、2014年6月8日24時です。

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