アート

Posted on 2014-02-10
スペインの現代アート「驚くべきリアル」展 東京都現代美術館で



フェルナンド・サンチェス・カスティーリョ《馬に捧げる建築》2002年 MUSAC蔵 ©Fernando Sánchez Castillo, Courtesy: MUSAC


Editor:蓬田(よも)修一

2014年2月15日(土)から5月11日(日)まで、東京都現代美術館で「驚くべきリアル」展が開催されます。

本展は、慶長遣欧使節団派遣400周年を記念して行われる「日本スペイン交流400周年事業」の一環として実施されるもので、スペインの90年代以降の作品にフォーカスしたカスティーリャ・イ・レオン現代美術館(MUSAC)のコレクションから「驚くべきリアル」をテーマに27作家の作品約50点が紹介されます。

スペインにおいては17世紀以降、ベラスケスやゴヤなど、リアリズムの系譜があり、80年代以降のアントニオ・ロペス・ガルシアに代表されるマドリード・リアリズムに継承されています。

スペイン芸術のリアルは対象が精密に再現されているという描画上の特質を意味するのではなく、スペインの作家のリアルに対する執着の仕方から来ています。

そのリアルは超自然なもの、幻想的なものまでを、日々の身の回りのものが手で触れられるのと同様に、地上に引き下ろして対話しようとする欲望から来ています。

しばしばその表現は日常的な光景やモノの「誇張」(esperpento)という形でみることができます。その「誇張」は生と死との独特の緊張関係から生まれてくるといえるでしょう。

「スペインでは、他のどの国よりも死者が生き生きとしている」という、詩人ガルシア・ロルカの言葉のように、死は生よりも活気をもっています。本展の出品作品には、アクティヴェイト(活性化)された死に裏付けられた重い生が、リアリズムとして表現されています。

展覧会にはラテンアメリカの作家の作品も含まれており、それ自体が驚くべき特異性をもった中南米のトロピカルな風土の中で、スペイン的なリアルの感覚がどのように変容し、発酵していったかを見ることができます。

見どころは、次のとおりです。

●人間の生と死を深く掘り下げてきたスペイン絵画のリアリズムを受け継いだ現代の絵画が紹介されます。

●ダリを生んだこの国が放つ魔術的な世界の変容や驚くべきイマジネーションの世界が紹介されます。

●ヴィデオ、空間インスタレーション、絵画、彫刻と目を見張る表現の多様性が紹介されます。

カスティーリャ・イ・レオン現代美術館について
2005年に開館。スペイン北西部のレオン州県都、レオン市に誕生し、「“現在”のミュージアム」になることを目指して、時代を映す現代美術を精力的に集めています。

「驚くべきリアル」展
会期
 2014年2月15日(土)から5月11日(日)まで
会場 東京都現代美術館 企画展示室1F、ホワイエ
観覧料 一般1100円、大学生・65歳以上800円、中高生600円、小学生以下無料
問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間や休館日など詳細は公式サイトでご確認ください。

ピラール・アルバラシン《ミュージカル・ダンシング・スパニッシュ・ドール》
2001年 MUSAC蔵 ©Pilar Albarracín, Courtesy: MUSAC

MP & MP ロサード《野良犬のように》2003年 MUSAC蔵 ©MP&MP Rosado, Courtesy: MUSAC

ハビエル・テジェス《保安官オイディプス》2006年 MUSAC蔵 ©Javier Téllez, Courtesy: MUSAC


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締め切りは、2014年2月28日24時です。

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