アート

Posted on 2014-04-16
美術館で映画を“読む” 「映画をめぐる美術――マルセル・ブロータースから始める」



ダヤニータ・シン《ファイル・ルーム》2013年 © Dayanita Singh

Editor:蓬田(よも)修一

2014年4月22 日(火)から6月1日(日)まで、東京国立近代美術館で「映画をめぐる美術――マルセル・ブロータースから始める」が開催されます。

本展覧会はタイトルのとおり、映画をめぐる美術に焦点を当てるものです。映画とは視る(そして聴く)ものだ、というのが普通ですが、この展覧会では、映画を「読む」ことが問題になります。

では、ここで言う「映画を読む」とはどのような行為か。ヒントになるのが、サブタイトルの「マルセル・ブロータースから始める」です。

マルセル・ブロータースはベルギー出身の芸術家です。オブジェや写真・短編映画の制作、著述活動など幅広い創作を展開したブロータースは、1960年代半ばから70年代半ば、戦後美術の転換期に唯一無二の存在感を示しました。

この展覧会がブロータースから始まるのは、彼が自身の映画を言語の拡張として捉えていたことによります。

ブロータースの映画の特徴は、普段は当たり前すぎて気にも留めない言葉やイメージが、不透明で見慣れぬ、
ノンセンスなものとして立ち現れてくることにあります。

そのような事態を前に私たちは、言葉とイメージの間、言葉と言葉の間、そしてイメージとイメージの間を跳躍し、自らそこに接続線を引くような行為、すなわち映画を「読む」ことへと誘われていきます。

本展覧会は、ユーモラスかつエレガントな振る舞いで、言葉とイメージの関係を浮かび上がらせるブロータースの実践を手がかりに、現在、国際的に活躍する美術家13名のフィルム、写真、ヴィデオ、インスタレーション等の作品を読み解いてみようという試みです。

美術館で映画を読む、それはきっと刺激的な体験になることでしょう。

※本展は、京都国立近代美術館にて2013年9月7日から10月27日まで開催された展覧会の巡回です。

映画をめぐる美術――マルセル・ブロータースから始める
会期 2014年4月22 日(火)から6月1日(日)まで
会場 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー(1階)
問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
観覧料 一般850円(600円)、大学生450円(250円)、高校生以下および18 歳未満は無料
※( ) 内は20 名以上の団体料金
※上記料金で入館当日に限り、同時開催の「特集 地震のあとで:東北を思うⅢ」、所蔵作品展「MOMAT コレクション」もご覧になれます。
休館日や開場時間など詳細は公式サイトでご確認ください。

ピエール・ユイグ《第三の記憶》1999年
© Pierre Huyghe, courtesy Marian Goodman Gallery, Paris/New York

アナ・トーフ《偽った嘘について》2000年[2007年、アントワープ現代美術館での展示風景]
アントワープ現代美術館蔵
Courtesy Museum of Contemporary Art, Antwerp (M HKA) © photo: Ana Torfs

アクラム・ザタリ《明日にはすべてうまくいく》2010年
Courtesy of Thomas Dane Gallery, London © Akram Zaatari


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以下のフォームより、お名前、メールアドレス、ご住所をお書きになり、ご応募ください。

締め切りは、2014年4月30日24時です。

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