マーケティング

Posted on 2010-09-30
音で情報伝達する広告媒体 「サウンドサイネージ」 ヤマハが実証実験


音の出るポスターの一例

ヤマハは、新開発の薄型・軽量・フレキシブルスピーカー「TLF-SP」と音響データ通信技術「インフォサウンド(INFOSOUND)」を組み合わせた新しい情報提供媒体『サウンドサイネージ(Sound Signage:音響看板)』の概念を提案し、今年の秋から実証実験を開始します。

今後、音響技術を使った新しい情報提供サービス展開に向け、広告やネットワークサービス、eコマースなどの分野での実用化を目指します。

それに先立ち、今年10月5日(火)から開催される「シーテックジャパン2010」ヤマハブースにおいてこれらの技術のデモンストレーションを行います。

<サウンドサイネージの概要>

『サウンドサイネージ』とは、「音・音楽」をコアとして事業活動を展開する当社が培ってきた音響技術の研究から生まれ、新たに提案する情報提供媒体の概念です。

近年、広告・販促媒体の分野では、平面ディスプレイやプロジェクターによって映像や情報などを表示する「デジタルサイネージ(電子看板)」が、いつでも、タイムリーに情報を提供できることから注目を浴びています。

これらに、音が加わるとより訴求効果が増すことは認知されていますが、これまでは、利用しやすく、効果的な音のソリューションがありませんでした。

そのような状況を鑑みて、ヤマハが提供するのが「音による情報伝達」技術の組み合わせによる新しいソリューションの『サウンドサイネージ』です。

この『サウンドサイネージ』には、ヤマハ独自の2つの技術である「TLF-SP」と「インフォサウンド」が使われています。

<TLF-SPの概要>

「TLF-SP(ティエルエフ・スピーカー:Thin-Light-Flexible Speaker)」は、ヤマハが早稲田大学 山崎芳男教授の基本アイディアを元に独自に開発した1.5mm厚の薄型・軽量(A0サイズで約400g)の静電スピーカーで、全体が柔構造で形状も自由にでき、巻いて運べるほか、全体を包むケーシング材(布など)に自由に印刷が可能です。

静電スピーカーとは、2枚の電極の中間に振動膜を配置した3層構造のスピーカーで、電極に電圧を与えることで、振動膜を振動させ、音を出すシステムです。

これまでの静電スピーカーは駆動電圧を非常に高くする必要がありましたが、「TLF-SP」は低い電圧でも駆動可能で、専用の小型アンプがあればどんな場所でも設置ができます(各種特許出願中)。

また、従来の静電スピーカーに比べ安価で、手軽に利用できるのも特長です。

さらに、「TLF-SP」は平面状で使うと、近くで聞いてもうるさくなく、遠くで聞いても明瞭に聞こえる音響特性(遠達性)があります。

また、指向性が鋭いため、ほぼ正面方向にのみ音を出すことが可能で、複数のスピーカー間の干渉が小さい音響特性(分離性)に加えて、ハウリングしにくいなどの音響特性を有しています。

これらにより、先に述べた構造的な特徴とも相まって、従来のスピーカーとは一線を画した、新たなメディアとして使える可能性を秘めています。

こうした特長から、「TLF-SP」は店舗などに設置できる大小の“音の出るポスター”や“音の出るPOP”、“音の出る大型バナー”や、簡易設備用の大型フラット型スピーカーなど、さまざまな形で幅広い用途への使用が期待されています。

<INFOSOUNDの概要>

「インフォサウンド(INFOSOUND) 」は、ヤマハが開発した音響データ通信技術で、デジタル情報を音響信号に変調して伝送する技術です。

直接スペクトラム拡散(デジタル信号を広い帯域に拡散して送信する)を用い、人間にはほとんど聞こえないものの、通常のスピーカーで再生できる可聴帯域内の高域(約18kHz以上)を利用します。

伝送レートは最大約80bpsですが耐ノイズ性が高く、10m以上の領域にデータを伝送することができます。

スピーカーから短い情報符号(音響ID)を送信し、その音響IDを携帯端末のマイクで受信後にサーバーでURL情報に変換する仕組みを用いることで、ユーザーが音響IDを流しているスピーカーに近づくだけでクーポンを受け取ったり、eコマースのサイトにアクセスして直接ショッピングができるサービスを提供できます。

また、テレビから音響IDを流すことで、番組連携サービスにも利用可能です。

音を使う技術なので、既存の設備(スピーカー)を使用し、複数の受信機に同時にデータを配信すること(1対多配信)が可能です。

また、スピーカーのボリュームで到達範囲を制御できる(音が聞こえる範囲にデータが届く)メリットもあり、場所に応じたサービスの提供が可能です。

音響IDを出力するスピーカーには「インフォサウンド」を用いた情報配信サービスが実施されていることが認識できるよう、独自のアイコンをつける予定です。

ヤマハでは、「インフォサウンド」を利用するため、アップル社の「iPhone」用アプリケーション「インフォサウンドブラウザ」を開発しました。

専用のツールで変調した信号をスピーカーから出力し、「iPhone」のマイクで受信、「インフォサウンドブラウザ」で復調し、さまざまな情報を配信します。

その一例として、ヤマハホームページ上のコンテンツである「楽器解体全書」(注)を体感できる「iPhone」版コンテンツを提供しています。また、今後、ほかの携帯端末向けアプリケーションを開発予定です。

これら2つの技術を組み合わせた『サウンドサイネージ』を活用することにより、“音の出るポスター/POP”として野外広告や店内POPのみならず、情報発信型の新たな媒体としてのマーケティングが可能になります。

例)・大型家電販売店などの店内スピーカーからクーポンや情報を携帯端末に配布
  ・音の出る屋外広告や店頭POPからキャンペーンURLやクーポンを配布

ヤマハでは、今年秋より『サウンドサイネージ』の実証実験を提携する企業と行うことで、これらの技術の広告媒体としての効果を探り、あわせてビジネスモデルの確立を目指します。

*(注)楽器解体全書:ヤマハの楽器事典サイト。子どものころにワクワクしながら読んだ、図解や写真の多い百科事典をイメージし、さまざまな楽器の成り立ちや構造、基本的な演奏法やうんちくなど、幅広く紹介しています。


 
「シーテックジャパン2010」にいてデモンストレーション

ヤマハでは、「TLF-SP」と「インフォサウンド」/『サウンドサイネージ』の技術展示とデモンストレーションを、10月5日(火)から幕張メッセで開催される「シーテックジャパン2010」のヤマハブース(ホール3のスマートグリッドパビリオン)において行います。

これはイベント会場内の数カ所に「TLF-SP」を使用した“音の出るポスター”から、ヤマハの音声合成ソフト「VOCALOID-flex」で合成した「しゃべり」音声と「インフォサウンド」による「スタンプ」.情報を出力し、それらの「声」を「iPhone」に聴かせて「音のスタンプ」を集める「サウンドスタンプラリー」を行うものです。

「音のスタンプ」を集めると、ヤマハブースで素敵な景品をプレゼントします。

「サウンドスタンプラリー」に参加するには「iPhone」用アプリケーション「インフォサウンドブラウザ」を事前に「iPhone」にインストールしておく必要があります。

同アプリケーションはアップル社が運営する「App Store」から無料でダウンロードすることができます。( http://itunes.apple.com/jp/app/id382401107、「App Store」で「INFOSOUND」もしくは「インフォサウンド」で検索も可能)。

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