アート
Posted on 2026-02-06
《美術展巡り》開館 30 周年記念 MOT コレクション 中西夏之 池内晶子 —弓形とカテナリー
M&C編集部
蓬田修一
東京都現代美術館3階で開催中の特集展示「中西夏之 池内晶子―弓形とカテナリー」を見てきた。
中西夏之(1935・昭和10~2016・平成28)は、前衛美術家・現代美術家として半世紀以上にわたって創作活動を続けた。
東京藝術大学名誉教授となり、創作だけでなく後進の教育にも力を注いだ。
絵画はいかにして立ち上がるのか、という問いを起点に創作を続けた。前衛美術家集団「ハイレッド・センター」の一員としても活動した。
池内晶子は1967年(昭和42)に東京に生まれた。1988年から糸を空間に張り巡らす作品制作を始める。1998年、東京藝術大学博士課程単位取得退学。
展示会場に入ると、まず池内晶子の《結ばれた糸、桜色、81の結び目、北北東ー南南西、懸垂線、高さ645cm》という巨大インスタレーション作品が部屋いっぱいに展示されている。
しかし、細い絹糸が空間に張られた作品なので、まったく分からなかった(見えなかった)。会場入口から差し込む光を手で遮りながら空間を凝視すると、部屋の端から端まで張られた細い糸が見えた。
次の部屋は、中西夏之の《洗濯バサミは攪拌行動を主張する》があった。わたしはこの作品が大好きなのだ。
大量の洗濯バサミが大小7枚のカンヴァスに取り付けられ、抽象絵画のような趣を漂わせている。1963年の作品だ。
非日常の美術館の空間に、洗濯バサミという極めて日常的なアイテムを大量に取り込んだ。
芸術と日常との境界を取り払い、両者を「攪拌」させるのが狙いだ。
最後の部屋には、再び池内晶子の作品が展示されていた。赤い糸のインスタレーション《結ばれた糸、赤、直径4cm-直径800cm》である。
赤い糸によるインスタレーションと聞くと、塩田千春を思い出す人も多いだろう。わたしも会場で塩田千春の作品を思い出した。
池内と塩田の作品は似ているが印象が大分違う。塩田の作品は強い感じがするが、池内の作品は繊細だ。
こうした違いに気づいたのも興味深く、美術鑑賞の楽しみをひとつ知った気分になった。
中西夏之《洗濯バサミは撹拌行動を主張する》
1963年(一部1981年再制作)
7枚のうちの1枚
3階ロビーでは、中西夏之の制作風景がビデオで見られる
池内晶子《結ばれた糸、赤、直径4cm-直径800cm》2023/2025年
《結ばれた糸、赤、直径4cm-直径800cm》部分

2019年「塩田千春展:魂がふるえる」の展示風景
展覧会基本情報
会期 2025年12月25日(木)~2026年4月2日(木)
休館日 月曜日(2月23日は開館)、2月24日
開館時間 10:00~18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
観覧料 一般500円 / 大学生・専門学校生 400円 / 高校生・65歳以上 250円 / 中学生以下無料
※ 企画展「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」、「ミッション∞インフィニティ」のチケットでMOTコレクションもご覧いただけます。
※ 小学生以下のお客様は保護者の同伴が必要です。
※ 身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付添いの方(2名まで)は無料です。
※ 毎月第3水曜(シルバーデー)は、65歳以上の方は無料です。(チケットカウンターで年齢を証明できるものを提示)
※ 家族ふれあいの日(毎月第3土曜と翌日曜)は、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住を証明できるものを提示/2名まで)の観覧料が半額になります。
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