マーケティング

Posted on 2017-04-07
名画のヴィーナスが生理痛? ギリギリ感クリエイティブが秀逸な「ヘルス・グラフィックマガジン」


調剤事業のアイセイ薬局が発行するPR誌「ヘルス・グラフィックマガジン」のクリエイティブが秀逸です。

アイセイ薬局は、関東エリアを中心に全国に店舗を展開しています。同社は、医療機関が発行する処方箋にもとづいて調剤するだけではなく、各診療科の開業医を招致して、医療モールをプロデュースし、そのモールの中で調剤事業を展開しています。このビジネスモデルは、大変に画期的です。

同社は、PR誌「ヘルスグラフィックマガジン」を季刊で、毎号15万部を発行しています。毎号、編集企画の立て方から、ページデザイン、イラスト、写真、テキスト、タイポグラフィまで、ビジュアル系の商業雑誌に匹敵、あるいはそれ以上のクオリティです。

難しくなりがちな医療や健康の情報を、ビジュアルの力を上手に活かしながら分かりやすく伝えていることなどが評価されて、「2015年度グッドデザインベスト100」を受賞しました。

最新号のテーマは「生理痛」。表紙は、ルネッサンス期・イタリアの画家サンドロ・ボッティチェッリの名作「ヴィーナスの誕生」をモチーフにしたビジュアルです。同作品は、縦172.5cm、幅278.5cmの大作で、現在はフィレンツェのウフィッツィ美術館の所蔵です。表紙のヴィーナスは、改変のされ方が絶妙で、思わずほほがゆるんでしまうユーモア感を醸し出しています。

私は昨年、同社代表取締役社長 藤井江美さんにインタビューしたことがありますが、そのとき藤井社長は「ヘルスグラフィックマガジン」の編集方針について「患者さんにとって攻撃的にならないギリギリの表現を狙っています」と話していました。今回の号も“ギリギリの表現”が大成功しているのではないでしょうか。

PR誌「ヘルスグラフィックマガジン」は、アイセイ薬局の店舗に置かれています。無料ですので、一度手に取ってみるときっと楽しいと思います。楽しみながら、健康や医療についての情報も得られるので一挙両得です。




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