アート / マーケティング

Posted on 2018-12-15
【レビュー】「光は時間であり、時間は光である」 CITIZEN “We Celebrate Time” 100周年展


 


時計メーカーとしての信念を表現する展示空間
1918年(大正7年)に創業し、2018年(平成30年)に100周年を迎えた、時計メーカーのシチズンは、東京・青山のスパイラルガーデンにおいて「CITIZEN“We Celebrate Time”100周年展」を開催中です。

シチズンは、2014年(平成26年)にもスパイラルガーデンにおいて「LIGHT is TIME」展を開催しています。同展は会期中、約7万2000人が訪れるほどの大人気の展覧会となりました。

今回は創業100周年を記念した展覧会です。主催者であるシチズンは、次のようにコメントしています。

「百年の歴史とこれから向かう未来、そしてここにある今、私たちを取り巻くすべての時間を祝福し、喜びと感謝を伝えるために開催します。

私たちシチズンは、部品から完成時計まで自社一貫製造するマニュファクチュールであり、だからこそ可能な「改善」を積み重ねることで、時計の未来を創り出す使命があると考えています」

シチズンは1976年、「光」を電気エネルギーに変換して「時」を刻む「エコドライブ」という独自の技術を開発しました。

今回展示されているインスタレーション作品「LIGHT is TIME」は 、その「光」と「時」をテーマにし、6年にわたってシチズンと建築家・田根剛(たね・つよし)氏が共に考え作り上げてきた表現です。

「LIGHT is TIME」は2014年展でも展示されましたが、今回も時計の基盤装置である地板を約7万2000個使用し、幻想的な空間を作り出しています。

田根剛氏は、Atelier Tsuyoshi Tane Architectsの代表としてパリを拠点に活動。現在ヨーロッパと日本を中心に世界各地で多数のプロジェクトが進行しています。

主な作品に〈エストニア国立博物館〉(2006~16)、〈A House for Oiso〉(2014~15)、〈(仮称)弘前市芸術文化施設〉(2017~)などがあります。

フランス文化庁新進建築家賞(2007)、フランス国外建築賞グランプリ(2016)、第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞(2017)など受賞多数。2012年からはコロンビア大学GSAPPで教鞭をとっています。

田根剛氏のコメントです。

「「時間とは何か」という根源的なテーマに向き合い、「LIGHT is TIME」 =「光は時間であり、時間は光である」をコンセプトにした展示やイラストレーションとして表現してきました。

それは、時間という存在がとめどなく過ぎていく日常において、常に前へと邁進する20世紀的な時間から脱却し、もしかすると「時間」こそが最も特別であってほしいとの願いが込められた21世紀の時間への探索だったのかもしれません。

時間をよりスマートに切り替え効率化するよりも、時間を「祝福する(celebrate)」行為にこそ、ひとり人生ひとつの家族、そしてこの地球の未来を紡ぐ源があるのではないかと思えてきました。

100周年を記念する本展では、ひとつの時計づくりから始まったシチズンの「これまで」ではなく、多くの人々との関わりの中で積み重ねてきた100年を「いま」という時間に歓びを与える”We Celebrate Time”として届けていきたいと思います」

会場構成
0I. LIGHT is TIME -We Celebrate Time ver.-
光と時をコンセプトにしたインスタレーションと65のムーブメントの刻まれる時間の展示

02. Synchronized Time
1秒間に起こる出来事の矯正と針に有機的な動きを与え視覚化したムーブメントの展示

03. Making Time
機械と人時計を作るマニファクチュールの映像展示

04. Thinking Time
新しい時代の技術を時計にするために挑戦し続けたしつつモデルの展示

05. Discovering Time
間の始まり人類による時間の計測しの展示

06. Tuning Time
ものづくりにおいて不可欠な時計機械道具心それぞれのチューニング調整風景の映像展示

07. Encountering Time
1967年から1970年までシチズン広報誌に連載された寺山修司の小片15年納めた書籍東急をめぐる幻想から構成

08. CITIZEN Shop
シチズン100周年記念に選りすぐりの時計たちをセレクトしたショップ

CITIZEN “We Celebrate Time” 100周年展
会期
:12月7日(金)~16日(日)11:00-20:00 会期中無休
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
入場料:無料
主催:シチズン時計株式会社
クリエイティブディレクション:シチズン時計株式会社
会場構成・インスタレーションデザイン:田根剛(Atelier Tsuyoshi Tane Architects)
プロダクション&テクニカルデザイン・演出:遠藤豊(LUFTZUG)
企画制作:LUFTZUG
音響製作:堤田祐史
展示施工:脇プロセス

 

 

 

 




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