出版

Posted on 2010-11-30
「回復困難な損害」で出版差し止め


Writer:蓬田(よも)修一

第三書館(東京)が出版した「流出「公安テロ情報」全データ」について、東京地裁(田代雅彦裁判長)は2010年11月29日、出版差し止めの仮処分を決定しました。

「流出「公安テロ情報」全データ」は、ネットに流出した、警視庁公安部が作成したとみられる国際テロ関連文書を掲載しています。

警察官や捜査協力者と思われる人物の氏名、顔写真、家族構成、出入国歴などを、そのまま掲載。

実名や顔写真を載せられた日本在住のイスラム教徒が、プライバシー権と名誉を侵害されたとして、出版禁止を求めていました。

個人プライバシーや名誉の保護と、表現の自由が対立した場合に、出版差し止めを認めるかどうかについて、最高裁は「回復困難な損害」がある場合は認めています。

今回の決定も、この基準に沿ったものでした。

しかし、ネットですでに数万人が見ていると考えられること、また、 警察は流出を認めていないことなどから、出版社に対してのみ出版差し止めを認めることには、専門家でも意見が分かれています。

出版した2000部は、ほぼ完売しているそうです。


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コメント1件

 匿名 | 2010.12.01 5:14

[…] […]