アート / 歴史

Posted on 2019-03-06
【レビュー】御即位30年記念「両陛下と文化交流―日本美を伝える―」


日本の美と両陛下が担われた文化交流を考える好機
東京・上野の東京国立博物館で、特別展 御即位30年記念「両陛下と文化交流―日本美を伝える―」(主催=東京国立博物館、宮内庁、文化庁、読売新聞社)が開催中です。

宮内庁が所管する皇室ゆかりの作品の中や、天皇皇后両陛下が外国御訪問の際にお持ちになって紹介された作品などを、以下にあるように4会場の構成で展示しています。

会場構成
御即位 The Enthronement of His Majesty the Emperor
御誕生 The Birth of His Majesty the Emperor (前期のみ)
外国ご訪問と文化交流 Foreign Visits and Cultural Exchanges of Their Majesties the Emperor and Empress
皇后陛下とご養蚕 Her Mafesty the Empress and Sericulture

展示品のひとつ、六曲二双の儀式用屛風「悠紀・主基地方風俗歌屛風」は、天皇陛下御即位に際して挙行された大嘗祭において使用されたものです。

秋田県の悠紀(ゆき)地方と、大分県の主基(すき)地方の四季風俗が描かれています。

悠紀地方の屛風は東山魁夷、主基地方の屛風は高山辰雄が担当しました。

「悠紀地方風俗歌屛風」は3月5日~31日、「主基地方風俗歌屛風」は4月2日~29日の期間で展示されます。

高村光雲作の「養蚕天女」(展示期間:3月5日~31日)も展示されています。

歴代皇后が引き継がれている養蚕をテーマにした作品で、優美な女神が純国産種の繭、小石丸を手にしている彫刻像です。

また、両陛下は海外をご訪問される際、日本文化を通して、わが国への親しみと交流を深めてこられました。

酒井抱一筆の「花鳥十二ヶ月図」(展示期間:4月2日~29日)や、岩佐又兵衛筆の「小栗判官絵巻」の10巻・15巻(会期中巻替あり)などの作品は、天皇皇后両陛下が外国御訪問の際にお持ちになって紹介・展示されたものです。

第2会場では、両陛下のお写真が展示されています。

御即位30年、そして御代(みよ)替わりという記念すべき年に、両陛下が担われた文化交流について考える好機です。

宮内庁三の丸尚蔵館
皇居東御苑内、大手門近くに位置している施設です。皇室に代々受け継がれた美術品類(絵画・書・工芸品など)が平成元年(1989)6月、国に寄贈されたのを機に、これらの作品の保存・管理、調査・研究とあわせ、一般への展示公開を目的に、平成5年(1993)11月3日に開館しました。

その後、故秩父宮妃のご遺贈品、香淳皇后のご遺品、故高松宮妃のご遺贈品、三笠宮家のご寄贈品が加わり、現在約9,800点の美術品類を収蔵しています。

特別展 御即位30年記念「両陛下と文化交流―日本美を伝える―」
会期
 2019年(平成31年)3月5日(火)から4月29日(月・祝)まで ※3月25日(月・祝)、4月29日(月・祝)を除く月曜は休館
会場 東京国立博物館 本館特別4・5室
観覧料 一般1100円(1000円)、大学生700円(600円)、高校生400円(300円)、中学生以下無料
※カッコ内は20人以上の団体料金




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