アート / クリエイティブ / 音楽

Posted on 2019-03-12
音に触れる体験 サウンド・インスタレーション展「Touch that Sound!」


立体音響に造詣の深い5組のアーティストが参加
音楽関連の出版事業を手掛けるリットーミュージックは、新しく設立した多目的スペース「御茶ノ水Rittor Base」にて、サウンド・インスタレーション展「Touch that Sound!」を、2019年3月15日(金)~24日(日)の10日間にわたって開催します。

ソニーが開発した波面合成技術によって音に包まれる感覚を生み出す、独自の空間音響技術「Sonic Surf VR(SSVR)」を使い、5組のアーティストが空間音響作品を制作。従来の技術では不可能だった“音に触れる”体験を実現します。

参加アーティストは中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)、Cornelius、evala、Hello, Wendy! + zAk、清水靖晃の5組。いずれも世界的に評価が高く、また立体音響にも造詣の深いアーティストばかりです。

彼らが本展のために書き下ろした楽曲や新たなミックスを施した楽曲を、約30分ほどのシーケンスで毎日12:00~20:00の間上演します(最終日は18:00まで)。

会期中、参加アーティストによるトーク・イベントも開催。作品がどのように制作されたかを本人ならびに制作に携わったエンジニアが解説します。

Sonic Surf VR(SSVR)とは
ソニーの音響技術研究チームが10年以上の歳月を費やして開発した、波面合成技術によって制御された新規開発マルチチャンネルスピーカーと専用ソフトウェアを組み合わせ、これまでにない没入感を提供するソニー独自の空間音響技術です。

音源を空間の中に自由に配置し、なおかつ自在に動かせるため、従来、平面で聴いていた音楽を立体的に聴くことができます。今回のインスタレーションでは、128chのスピーカーで構成されたSSVRを設置。あたかも音に触れるような体験が可能になります。

キュレーター國崎晋(リットーミュージック)氏のコメント
21世紀に入ってからVR、AR、MRなど、仮想現実を利用したアート/エンターテイメント作品は数多く発表されているが、そのほとんどがビジュアル偏重で、サウンドは蔑ろにされている。

そんな状況に我慢ができず、サウンド&レコーディング・マガジンの編集長/編集人を務めていた間、5.1chサラウンド、さらにはイマーシブ・オーディオといった立体音響について、それこそくどいくらい記事にして啓蒙を続けてきた。

そんな中、昨年、ソニーが新たに開発したSonic Surf VR(SSVR)が作り出す音場を体験し、従来のサラウンドを超える音のリアリティに心底びっくりした。ヘッドマウント・ディスプレイをアタマに装着することなく、自由に動き回りながら音と戯れることができたのだ。

“このシステムを使っていろいろな音に触ってみたい!”という気持ちが高まり、気がつけば5組のアーティストに作品制作を委嘱していた。いずれも新たなサウンドや音場について積極的かつ先進的な感覚を持つ気鋭のアーティストたち。編集人退任後、心血を注いで設立したスペース=御茶ノ水Rittor Baseで最高の体験ができるよう環境を整えたので、彼らが作り出した”生き物のような音”に触れていただきたい。

【アーティスト・プロフィール】
中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)

1997年に川島道行とBOOM BOOM SATELLITESでデビュー。エレクトロニックとロックの要素を取り入れながら未知の音楽を創造し続け世界的に高い評価を得る。2016年川島道行が逝去し、バンドとしての活動は終了。以降さまざまなアーティストのプロデュース、アレンジを手掛けていたが、今回の作品は久々の書き下ろし曲となる。

Cornelius / 小山田圭吾
1989年にフリッパーズギターのメンバーとしてデビューし、1993年よりCorneliusとして活動開始。2003年リリースのDVD『Five Point One』からはサラウンドの制作も行うようになったほか、近年は「デザインあ展」や「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」など、サウンド・インスタレーションも手掛ける。

evala
先鋭的な電子音楽作品を国内外で発表し続けるサウンド・アーティスト。2016年より”耳で視る”という新たな聴覚体験を創出するプロジェクト「See by Your Ears」を推進。SXSW 2018ではその最新型としてSSVRを使用した作品「Acoustic Vessel “Odyssey”」を披露し大いに話題となった。

Hello, Wendy! + zAk
Hello, Wendy!は2014年に大野由美子、マイカ ルブテ、AZUMA HITOMI、新津由衣の女性4人で結成されたシンセサイザー・カルテット。2018年にリリースした2ndアルバム『No.9』に収録された「Moment of Eternity」のMVは360°VR仕様で、エンジニアのzAkによりSpatial Audio対応のミックスが施され注目を集めた。

清水靖晃
作曲家、サキソフォン奏者。マライアでの活動を経て、1985年~91年はパリとロンドンを拠点に活動。近年、1980年代の作品が欧米で再評価されリイシューが進んでいる。1996年からは”バッハ – サキソフォン – スペース”のコンセプトで地下採石場など特異な空間を利用した録音を行い、独特の音場を創出し続けている。

Touch that Sound!
Sonic Surf VRによるサウンド・インスタレーション展
会期
 2019年3月15日(金)~3月24日(日)
開場時間 12:00~20:00(入場は閉場の30分前まで。最終日は18:00に閉場)
会場 御茶ノ水Rittor Base
東京都千代田区神田駿河台2-1 OCCビルB1
入場料 無料(Peatixにて「日時指定入場予約」が必要です)
詳細はこちら https://www.rittor-music.co.jp/rittorbase/touchthatsound/

トーク・イベント スケジュール
3月15日(金)19:00 – 20:00 大野由美子(Hello, Wendy!) + zAk
3月17日(日)19:00 – 20:00 小山田圭吾(Cornelius) + 髙山徹
3月18日(月)19:00 – 20:00 中野雅之(BOOM BOOM SATELITES)
3月19日(火)19:00 – 20:00 清水靖晃
3月23日(土)19:00 – 20:00 evala
※トーク・イベントは有料です(2000円)

主催 リットーミュージック
協賛・技術協力 ソニー、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ




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