アート
Posted on 2011-03-04
フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展
ヨーロッパ17世紀のダイナミズム
シュテーデル美術館は、ドイツ西部の都市フランクフルトに位置するドイツでも有数の美術館です。
19世紀フランクフルトの商人であり、銀行家でもあった、ヨハン・フリードリヒ・シュテーデルは、自身のコレクションをもとに、この美術館を設立しました。
同館は10万点を超える作品を所蔵し、そのコレクションは、初期ルネサンスから現代美術まで、西洋美術の歴史を概観できるほど、幅広く質の高いものとなっています。
なかでも、17世紀オランダ絵画とフランドル絵画のコレクションの質の高さは圧巻で、世界でも有数のコレクションのひとつとして数えられます。
本展は、シュテーデル美術館が改築工事を行うことに伴い、約200年前の開館以来、初めてその作品をまとめて貸し出す機会となります。
注目は、ヨハネス・フェルメール作《地理学者》です。30数点と伝えられるフェルメールの真作の中でも、男性単身を描いた作品は《地理学者》《天文学者》の2点しかなく、そのうちの1点を展示いたします。
また、17世紀オランダ・フランドル絵画のコレクションからは、レンブラント、ルーベンス、フランス・ハルスなどの巨匠の作品をはじめ、歴史画、風俗画、静物画など幅広いジャンルの作品を展示し、大航海時代のヨーロッパ芸術の潮流を見ることができます。
展覧会概要
会期 : 2011年3月3日(木)– 5月22日(日) 開催期間中無休
開館時間 : 10:00 – 19:00(入館は18:30まで)
※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
会場 : Bunkamuraザ・ミュージアム
巡回先 : 2011年6月11日(土)– 8月28日(日)豊田市美術館
画家の円熟期ともいえる37 歳頃に描かれたもの。
フェルメールの作品において男性単身像は1 年前に描かれた《天文学者》とこの《地理学者》の2 点のみが現存し、両作品とも近代科学の黎明期といえる17 世紀らしい主題といえる。
コンパスを手にする人物は、窓から差し込む光の方へと視線を向け、遠く未知なる世界へと思いを馳せているようだ。
ここでは右手前の椅子の上に置かれた直角定規や背後の棚の上にある地球儀、壁にかかる地図だけでなく、机の上や床の上にも地図を思わせる紙が置かれ、「地理学者」の仕事道具をひと通り見ることができる。
壁の幅木の代わりには、青い絵付けのデルフト焼タイルがはめ込まれ、そのわきにはゴブラン織りの豪華な椅子が置かれるなど当時の裕福な市民の生活の様子も垣間見える。
花瓶に生けられた珍しく高価な花々は、当時非常に人気のある主題であり、ヤン・ブリュ
ーゲル父子も「花の画家」としてもてはやされた。
様々な地域で異なる季節に咲く花々の想像上の花束であるこれらの作品では、常に変化する自然そのものが描き出され、花の短い命や束の間の美しさによって、人生のはかなさや虚しさも暗示されている。
悪霊によって苦しめられていたイスラエル王サウルは、若い牧人ダヴィデの弾く竪琴の音
色によって癒されていたが、戦いでのダヴィデの名声を危惧し、憎悪の念からダヴィデに
槍を投げつける。
心理描写に秀でたレンブラントは『サムエル記』のこの逸話において槍を投げる直前の瞬
間の王の内的葛藤をテーマとし、極度の心理的緊張を描き出している。
招待券プレゼント 招待券プレゼントへの応募は締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。
「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」招待券を、抽選で3組6名様にプレゼントします。
以下のフォームより、お名前、メールアドレス、ご住所をお書きになり、ご応募ください。
締め切りは、2011年3月31日24時です。
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