出版

Posted on 2011-03-25
企画展「空海からのおくりもの」 印刷博物館 日本の書物文化・印刷文化に迫る


Writer:蓬田(よも)修一

印刷博物館では、2011年4月23日(土)より、企画展『空海からのおくりもの 高野山の書庫の扉をひらく』を開催します。

本展は、奈良時代からはじまる日本の古印刷文化を総覧できる企画展です。

今回は「山の正倉院」と呼ばれる高野山より、数々の争乱や災害をかいくぐり現代まで継承されてきた秘宝79点(国宝2点、重要文化財31点を含む)を公開します。

数点を除き、高野山を「下山」するのは、はじめての資料ばかりです。

奈良時代からはじまる中世の印刷出版活動は、仏教文化を抜きには語れません。
経典や護符のような仏教印刷物こそが出版の中心だったのです。

特に鎌倉時代以降盛んになった高野山での出版は、高野版と呼ばれ、弘法大師空海請来の密教経典や教書を中心に、数多く世に送り出されました。

さらに江戸で華開いた民間中心の出版の底流にも、中世から連綿と続く古印刷文化の精神が確認できます。

また、日本人の思想や文化は各寺院の出版活動によって支えられてきたとも言えます。

出版活動は各寺院の裁量で進められましたが、人や物は想像以上に活発に交流します。

本展は、私たちにとって書物とは何か、また日本の書物文化を考えるのに欠かせない貴重な機会を提供します。

<展覧会の見所>

日本人にとって書物とは
さまざまな資料の展示により、書物の誕生やどのような役割を果たしてきたのかを考えることで、「活字離れ」が叫ばれる現代における書物の今日的な意味を考えるきっかけとなります。

日本語形成に大きな影響をおよぼした空海 
『悉曇字記』や『梵字悉曇字母并釈義』など、日本語の成立過程に大きな影響をおよぼした書物を通して、空海のすぐれた文化人としての一面を見ることができます。

最先端のデジタルアーカイブを公開
会期中、「両界大曼荼羅の宇宙」と題した映像コンテンツを印刷博物館に併設しているVRシアターにて上映します。

【開催概要】

会 期: 2011年4月23日(土)-7月18日(月・祝)     
会 場: 印刷博物館
入場料: 一般800円、学生500円、中高生300円

展覧会オフィシャルサイト




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