歴史

Posted on 2022-03-03
中世武士団―地域に生きた武家の領主―



重要文化財 紙本著色前九年合戦絵詞(部分) 鎌倉時代中期 国立歴史民俗博物館蔵 


「領主組織」としての武士団に焦点
中世武士団にスポットを当てた展覧会が、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)で開催されます。

中世武士は、世襲制の職業戦士であるとともに、地域の支配者(領主)としても存在しました。

中世武士の地域支配は、武士個人の力量によって実現したわけではなく、主に一族と家人によって構成された武士団という集団(組織)を形成することで実現しました。

そのため今回の展覧会では、武士団を戦闘集団ではなく「領主組織」という観点から捉えます。

中世武士が武士団という領主組織を形成して遂行した地域支配の実態と展開について、13世紀~15世紀を中心に、中世の文献・考古・美術資料のほか、近世~近代の絵図・土地台帳や現地調査に立脚して復元した本拠景観にもとづき、その具体相を展示します。

事例には、豊かな資料を今日に伝える、石見益田氏、肥前千葉氏、越後和田氏を主に取り上げます。

会場構成
第1章 戦う武士団 ― プロローグ
「中世武士団」と聞くと、一般的には戦士集団としての姿が想起されると思います。

本章では、絵巻や武具・武器から武士団の圧倒的な武力(優れた弓馬技術の保持者としての姿)と、無抵抗な女性や幼児にも襲いかかった残忍な戦士としての姿を展示します。

第2章 列島を翔る武士団 ― 移動と都市生活
鎌倉時代の武士団は、一国規模ないしは全国規模におよぶ散在所領を形成し、京・鎌倉といった都市にも屋敷(宿所)を構え、列島中を広域的に移動しました。

そうした武士団の姿を、主に文献資料にもとづいて展示します。

第3章 武士団の支配拠点 ― 地域のなかの本拠
中世武士団は複数の所領を形成したものの、中核となる所領を本領(=苗字)の地とし、そこに屋敷を中心とする本拠を形成して所領支配の拠点としました。

本章では、屋敷・交通路・集散地・用水路・寺社など、さまざまな要素が関連づけられて構成された本拠の景観を復元することで、鎌倉時代を中心にその具体的な様相を展示します。

第4章 武士団の港湾支配 ― 地域の内と外をつなぐもの
武士団は領主として、交通や物流を支配しており、沿海地域の場合は、いかに港湾を支配するかが重要でした。

石見益田の事例を中心として、港湾の景観、船舶の航路、そして武士団による支配の様相に迫ります

第5章 霊場を興隆する武士団―治者意識の目覚め
職業戦士集団であることを本質とする武士団自体は、地域社会を支配(統合)する論理(正当性)を持てませんでした。

そのため、地域社会の救済を実践する宗教者集団と提携し、その活動と拠点となる寺社(=霊場)を整備・保護することで、地域社会支配の論理を獲得しようとしました。

第6章 変容する武士団―エピローグ
室町時代になると、室町将軍の支援を得て所領保全を図ろうとする武士団が多く現れました。

そうした武士団は、京都と同様の儀礼・遊芸を本拠で催すことで、地域社会に対して自らが将軍と直結していること、さらには文化的な優越性を誇示し、自らを権威づけて地域社会に対する求心力の維持を図りました。

本章では、このように本格的に地域社会に定着し、最先端の文化を導入して自らの権威を演出した武士団の姿を展示します。
 
※入場事前予約について
混雑緩和のため、土・日・祝日、会期末(5/2~5/8)は、すべてのお客様につきまして、オンラインによる入場日時の指定(事前予約)が必要です。詳細は公式サイトに掲載しますので、ご確認ください。
公式サイト https://www.rekihaku.ac.jp/    

中世武士団―地域に生きた武家の領主―
会期 2022年(令和四年)3月15日(火)から5月8日(日)まで
会場 国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B
開館時間 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
※開館日・開館時間を変更する場合があります。
休館日 毎週月曜日(休日にあたる場合は開館し、翌日休館)ただし5月2日(月)は開館
料金 一般1000円、大学生500円
※総合展示もあわせてご覧になれます。
※高校生以下は入館料無料です。
※高校生及び大学生の方は、学生証等を提示してください。(専門学校生など高校生及び大学生に相当する生徒、学生も同様です)
※障がい者手帳等保持者は手帳提示により、介助者とともに入館が無料です。
※半券の提示で当日に限り、くらしの植物苑に入場できます。
 
        




 

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