アート
Posted on 2025-12-17
三菱一号館美術館 2026年展覧会スケジュール
トワイライト、新版画―小林清親から川瀬巴水まで
会期:2026年2月19日(木)〜5月24日(日)
最後の浮世絵師のひとりと呼ばれる小林清親が1876(明治9)年に制作を開始した『東京名所図』は、明治期の風景版画へ大きな変革をもたらしました。黄昏どきの表情や闇にきらめく光の様相を描いた作品群は「光線画」と呼ばれ、深い陰影により江戸の情緒まで捉えています。
このような視点は、失われゆく江戸の風俗を惜しむ人々の感傷や、それらを記録しようとする写真の意欲とも重なっており、同時代の浮世絵師たちが文明開化により変貌していく都市を、艶やかな色彩によって楽天的に捉えた開化絵とは一線を画するものでした。
明治末期に浮世絵の復興を目指した新版画は、その技術ばかりでなく清親らが画面に留めようとした情趣を引き継いで、新しい日本の風景を発見しようとしました。
清親から吉田博・川瀬巴水らに至る風景版画の流れを、アメリカのスミソニアン国立アジア美術館が所蔵するロバート・O・ミュラー・コレクションの作品によって辿ります。
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“カフェ”に集う芸術家―印象派からゴッホ、ロートレック、ピカソまで
会期:2026年6月13日(土)〜9月23日(水・祝)
19世紀後半のパリ、マネや後に印象派と呼ばれることになる芸術家たちはカフェに集い、議論を戦わせました。
現代のカフェがくつろぎの場だとすれば、当時のカフェやキャバレー、ダンスホールは、飲食や娯楽を楽しむだけではなく、新たな芸術が生まれる場所となっていきます。
それは、サロン(官展)からの脱却と共に、芸術が群衆に溶け込む新しい時代の始まりでもありました。
1897年、カタルーニャ出身の画家カザスはモンマルトルの有名店「シャ・ノワール(黒猫)」に倣って、バルセロナに「クアトラ・ガッツ(4匹の猫)」を開店。若きピカソも通います。
そして、ピカソは“カフェ”を舞台にロートレックやカザスが描いた悦楽や孤独に多大な影響を受けて、「青の時代」へと向かいます。
本展では、マネ、ゴッホ、ロートレック、ピカソによる名作の数々、そしてバルセロナが誇る日本初公開のカザス作《マドレーヌ》を加えた約130点から、“カフェ”で生まれた芸術の広がりを展観します。
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アントニオ・フォンタネージ展ヨーロッパと日本を橋渡しした風景画(仮称)
会期: 2026年10月17日(土)〜2027年1月24日(日)
19世紀イタリアの画家アントニオ・フォンタネージ(1818-1882)は、1876年、58歳で工部美術学校の画学教師として日本に招聘され、その門下から浅井忠ら初期の洋画家たちを輩出したことで知られています。
スイスやフランス、英国などヨーロッパ各地に滞在し、バルビゾン派やターナーらから影響を受けつつ、詩情豊かな独自の風景画を生み出しました。
生涯にわたり風景に取り組んだフォンタネージは、1869年、トリノの美術アカデミーの風景画教授に任命されると、晩年に至るまでこの地で制作しました。
本展は、トリノ市立近現代美術館(GAM)およびトリノ博物館財団の協力のもと、画業の初期から晩年に至るフォンタネージの作品群を概観します。
また、日本の弟子たちの作品や、同時代・次世代のイタリア人作家の作品における彼の影響と遺産にも光を当て、フォンタネージの芸術の全貌を明らかにします。
※テキストは三菱一号館美術館サイトより
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