アート

Posted on 2012-09-24
「ホームアゲイン-Japanを体験した10人のアーティスト」展 
原美術館で2012年11月18日まで


 Writer:宮川由紀子

デュート ハルドーノ 「無題(それは、B面だよ)」
2011年 カセットテープ、額 36.0x21.2cm
撮影:木奥惠三

2012年8月28日から11月18日まで原美術館で「ホームアゲイン-Japanを体験した10人のアーティスト」展が開催中です。

グローバリゼーションの進んだ今、現代美術の世界でも国際交流は世界各地で活発化しています。

日本でも、アーティストを一定期間招へいして創作活動を支援する「アーティスト イン レジデンス」(Artist in Residence、以下AIR)などが行われています。

本展は、2007年から2011年にかけて日本でのAIRを体験した広域アジアならびにアメリカ大陸の若手アーティスト10名による展覧会です。

彼らは、バッカーズ・ファンデーション[注1]とNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト][注2]のAIRプログラムで来日したものです。

インドネシア、シンガポール、インド、アフガニスタン、ブラジル、アルゼンチンそしてアメリカと、それぞれ異なる背景から来日した10名が、約3カ月の滞在中で「Japan」になんらかのモチーフを発見し、制作した成果を東京で発表した後、帰国しました。

彼らが日本滞在中に制作した作品と、帰国後に制作した近作・新作があわせて構成されるのが本展覧会です。

言語・宗教・慣習の異なるさまざまな文化圏からやってきたアーティストたちにとって、「Japan」体験はどのようなものだったのか、また、その体験の「名残り」が、帰国後の制作活動に見出されているのかどうかが、興味深い内容となっています。

また、10名のアーティストは制作のスタイルや作風もさまざまであり、絵画・ドローイング・インスタレーション・写真・彫刻など、現代美術ならではの多様な表現が楽しめるのも見どころの一つです。

かつて私邸として建てられた原美術館の空間が、そうした「共生」のための仮想の家(ホーム)を提示するという、感慨深い趣向の展覧会です。

シャギニ ラトナウラン 「L.S.」
2011年 写真(インクジェットプリント) 57.2x150.3cm

[注1]
バッカーズ・ファンデーションとは「バックアップしていく人たち」という意味で、オーナー型経営者が集まり、社会貢献事業を行なう経営者有志の任意団体。現在は、各団体に支援金を送るだけではなく、実際に会員たちが現場へ足を運び、「明るく楽しく」を合言葉に参加する活動を行う。

[注2]
NPO 法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]はキュレーターやアート・オーガナイザー6 名が、現代アートと視覚文化を考えるための場作りを目的として、2002 年に設立したNPO団体。現代アートの学校MAD(Making Art Different)、海外からアーティストやキュレーターを招聘するアーティスト イン レジデンス プログラム、展覧会やアーティスト トークなどを運営。

開催概要
会期 2012年8月28日(火)から11月18日(日)まで
会場 原美術館
主催 原美術館、NPO 法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
共催 バッカーズ・ファンデーション
協賛 ダイキン工業株式会社、UBS 銀行、ルイ・ヴィトン ジャパン
助成 公益財団法人アサヒビール芸術文化財団、アジアン・カルチュラル・カウンシル、公益財団法人花王芸術・科学財団
開館時間 午前11時から午後5:00まで(水曜は午後8時まで/入館は閉館時刻の30分前まで)
休館日 月曜日(祝日にあたる10月8日は開館)、10月9日
入館料 一般1000円、大高生700円、小中生500 円/原美術館メンバーは無料、学期中の土曜日は小中高生の入館無料/20名以上の団体は1人100 円引
ギャラリーガイド 日曜・祝日に学芸員によるギャラリーガイドを実施。(午後2時30分より30分程度)

原美術館オフィシャルサイト

展覧会特設サイト


Posted in アート | Comments Closed

Related Posts