アート

Posted on 2013-01-15
下街の音がアートに 「福永敦 ハリーバリーコーラス」 アサヒ・アートスクエア オープン・スクエア・プロジェクト


福永敦 ハリーバリーコーラス

福永敦 《KURUMAGAAGAA AMEZAAZAA KIKIWASAWASASEMIJIJIJIJIJI KAZEBYUUBYUU HITOZAWAZAWA》2006年


 Writer:宮川由紀子

2013年1月12日(土)から2月3日(日)まで、アサヒ・アートスクエアで「福永敦 ハリーバリーコーラス─まちなかの交響、墨田と浅草」が開催中です。

福永敦はドイツ・ベルリン在住の若手アーティストで、今回が初の大規模な個展となります。

犬が「ワンワン」ほえる。目が「グルグル」まわる。人やものが発する音、様子や感情を音声に置き換え生まれる擬音・擬態表現[オノマトペ]。福永はこれまで、この言語表現をダイナミックに、ときに繊細にオブジェやビジュアルへと変換する作品を発表してきました。

大量の擬音の文字でひとつの都市を再現した《KURUMAGAA…》、轟音がオブジェとなり飛行機が形作られる《Thesounds of airplane》など、視覚と聴覚を同時にゆさぶる知覚体験は、観るものに言語の奥深さや不思議さ、そして私たちが無意識に生きる文化の豊さや異文化の存在を改めて気づかせます。

今回福永が注目するのは、東京下町の代名詞、墨田と浅草エリア。そこで集めた音を素材に、アサヒ・アートスクエアの空間を、合唱のような「音声」で満たされた体験型インスタレーション作品に変換します。

この土地の様々な地域性や、ときに時代性が混じり合う、多様な文化の音風景があなたの前に立ち上がります。

これまでは、擬音語、擬態語をビジュアルやオブジェに変換する作品を制作してきた福永の、あらたな方法論「音声」へのチャレンジは見どころです。

隅田川にかかる吾妻橋のたもと、屋上の「炎のオブジェ」が有名なスーパードライホールの4-5F に位置する「アサヒ・アートスクエア」は、そのユニークな空間デザインで、多彩なアーティストの表現が実現できるアートスペースです。

アサヒ・アートスクエアを舞台に開催される「オープン・スクエア・プロジェクト」は、2011 年よりスタートしたアーティストサポート事業で、公募で選ばれたアーティストが、創造力を刺激する空間[=アサヒ・アートスクエア]と出会うことで、それぞれの新たな可能性を提示するとともに、アーティストの飛躍の機会となることを目指すものです。

<概要>
会期 2013年1月12日(土)から2月3日(日)まで
休館日 火曜日および1月27日(日)
開場時間 11時から19時まで
会場 アサヒ・アートスクエア
入場料 500円(会期中再入場可)、高校生以下および18歳未満無料
主催 アサヒ・アートスクエア
協賛 アサヒビール株式会社
後援 墨田区、台東区

アサヒ・アートスクエア

福永敦 ハリーバリーコーラス

福永敦《Kosmos》2011年


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