マーケティング / マネジメント

Posted on 2014-01-01
2014年頭所感 公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)塚田司郎 会長


ソリューション・サービスの更なる充実へ

公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)塚田司郎 会長

公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)
塚田司郎 会長

新年明けましておめでとうございます。

昨年は政権交代でサプライサイドが刺激され、大方の予想では2%前後の経済成長が実現したのではないかとされています。大規模な金融緩和が続いたおかげで為替も円安の方向に向い、年末には対ドルで100円を超える状況にもなりました。自動車関連などの輸出を中心とした企業は業績が上向き、また、消費税値上げ決定の影響もあり不動産や建設費も値上りし、長らくデフレにあえいだ日本経済も一部、活況を呈するようになりました。

その一方で、昨年多かったのがこれまでより規模の大きい会社同士のM&Aや経営破綻でした。震災以後のすっかり変わってしまった需要構造や経営環境の急激な変化のスピードに、老化した会社では後継者問題も含めて経営の変化のスピードが追いついていかないといった状況があります。

業界には情報、コミュニケーション系の印刷企業は数多く存在しますが、そのマーケットは今後も縮小が続くと予想されています。

これからは単に印刷物を製造、提供するだけでなく、顧客企業とユーザーとのコミュニケーションにおける効果を高めることや効率を向上させるなど何らかのソリューションでより良いマーケティングサービスを提供する存在になるべきだと言われてきましたし、大手企業ではさらに一歩進んで、顧客の業務プロセスの一部を受託するBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)に取り組んでいます。

もちろんこのほかにも特殊な設備で生産プロセスに特化する、システムを構築して印刷通販に参入する、ラベルやパッケージの分野に進出する、あるいは異業種にチャレンジするなど、企業として何をするのも自由ですが、他社とは違った存在になる必要があります。

融資する銀行の側から見ると、大手企業はリーマンショック以降、有利子負債を減らしてきたのに対し、中小企業は二極化の傾向だそうです。それは各社のそうしたことへの取り組みの結果と言えるのかもしれません。

印刷技術では、オフセット印刷機はLED-UVや高感度UVインキの普及でよりいっそうの短納期対応と、ハイエンドの電子写真方式のデジタル印刷機が改良され、より多くの種類の印刷物の小ロット化が可能になりました。

さらにコスト面での制約を解消するためにさまざまな用途のインクジェット印刷機が市場に出回り始めました。本格的なグラフィックアーツやフォトアルバムに使用するとなると課題もまだいろいろとあり、ビジネスのアプリケーション次第といったところでしょうか。

昨年はデジタル印刷とオフセット印刷のメーカー同士の業務提携も発表されるなど、印刷物に対する社会の要求と現状とのギャップの解消に向かって加速していくことが期待されます。

いずれにしても今年も会員各社が現代的な設備やソリューションでビジネスの成果を上げられますよう祈念いたしております。


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