マーケティング

Posted on 2016-10-11
「JAGAT大会2016」開催 印刷の再成長を目指して





 

2部で行われたディスカッション「差別化戦略と新たな仕事の創出」


出版業界の厳しさのせいにしない
日本印刷技術協会(略称:JAGAT)は「JAGAT大会2016」を、2016年(平成28年)10月7日、東京・文京区の椿山荘で開きました。

大会は2部で構成。1部では、日本印刷技術協会 副会長 花崎博己氏による開会の挨拶に続き、日本印刷技術協会 会長の塚田司郎氏がKeynoteとして「印刷再成長のための新しい企業経営とは」をテーマにプレゼンテーション。引き続き、日本印刷技術協会 研究調査部部長 藤井健人氏による講演1「JAGAT最新調査から読み解く印刷業界の動向」、ブロードバンドタワー 代表取締役会長兼社長CEO 藤原洋氏による講演2・特別講演「インターネットが創り出す21世紀の経済力学-勝ち抜くための処方箋」が行われました。

2部では、ディスカッション「差別化戦略と新たな仕事の創出」を開催。スピーカーは講演2・特別講演で講師を務めた藤原氏をはじめ、インプレスR&D 代表取締役社長 井芹昌信氏、フュージョン代表取締役会長 花井秀勝氏、Keynoteをプレゼンテーションした塚田氏の4氏が登壇。モデレーターは日本印刷技術協会 専務理事 郡司秀明氏が務めました。

藤原氏は「印刷業界のキーワードは“スケーラビリティ”。1部印刷するのと100万部印刷するのは同じでない。目的に合った方法が重要。スケーラブルを意識することが大事」と提言。「出版業界も印刷業界と同様に厳しい状況にあるが、印刷業界は既存顧客である出版業界のマーケットがシュリンクしているのを、自分たちの業界がシュリンクしている言い訳にするのはやめたほうがいい」と厳しい意見も出ました。

井芹氏は「紙は特殊なメディアだと言える。電源がなくてもコンテンツが読めるから。デジタルメディアをはじめテレビやラジオも電源が必要。それは災害になったときよく分かる。また、紙だけが1000年後も残るメディア。デジタルメディアはフォーマットが変わると読むことができなくなってしまう。消費者がメディアに接する時間は全体では増えてきている。今後、デジタルメディアはデジタルメディア同士でコンテンツに接する時間を食い合うだろう」と分析した。

花井氏は「紙ならではよさを活かしていくことが重要。豪華な限定本、作家のサインが入った本、シリアルナンバーが打たれた本など、ネットのメリットを活用しながら、紙のよさを見極めていくことが大事」と発言した。

塚田氏は「コンテンツが立派ならば、本の装丁も立派であるべき。それが社会のためにもなると思う。今は難しい状況にあるのかもしれないが、将来はそうなっていくだろうし、そうなるようリスクを負って望むべきだ」と述べました。

最後に、モデレーターの郡司氏は「日本の印刷技術は世界的に見て卓越している。日本の印刷会社は必ず今の厳しい状況を切り開いていける。切り開くのは大企業ではなく、中小規模の企業であると信じている」と締めくくりました。

その後、懇親会となり参加者同士による意見交換が活発に行われました。




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