アート
Posted on 2014-01-18
「あなたの肖像―工藤哲巳回顧展」 異能の芸術家の大回顧展
Editor:蓬田(よも)修一
日本の戦後美術における異形・異能の芸術家、工藤哲巳の回顧展が2014年2月4日(火)から3月30日(日)まで、東京国立近代美術館で開催されます(1月19日までは大阪・国立国際美術館で開催中)。
工藤哲巳(1935-90)は、東京藝術大学在学中から作品の発表を始め、「反芸術」の代表的作家の一人として、早くから世間の注目を浴びました。
1962年以降はパリに拠点を移し、80年代半ばまで、主にヨーロッパで活動します。日本では「反芸術」の印象が強い工藤ですが、とくにパリに拠点を移した後は、文明、社会批評的観点から作品を制作していました。
本展は日本初公開の作品に加え、彼が作品制作と同様に取り組んできたパフォーマンスに関する記録映像、写真など、200点を超える作品・資料を展示し、彼の活動の全貌を紹介するものです。
構成は次のとおりです。おおむね時系列に展示し、工藤作品を包括的に振り返ることができるようになっています。
1)1956-62 Tokyo
2)1962-69 Paris
3)1969-70 Mt.Nokogiri(Chiba)
4)1970-75 Dusseldorf,Paris,Amsterdam, and Milan
5)1975-80 Okayama,Berlin, and Paris
6)1980-90 Tokyo,Paris, and Hisosaki
見どころは次のとおりです。
●世界で再評価の進む工藤哲巳。日本では20年ぶり、東京では初の回顧展です。
●日本初公開の作品を含む国内外の代表作200点が集まる大展覧会です。
●「読売アンデパンダン」展の傑作で、ウォーカー・アート・センターが所蔵する《インポ分布図とその飽和部分に於ける保護ドームの発生》が約半世紀ぶりに日本で展示されます。
●工藤が行った数々のパフォーマンスが豊富な記録写真や映像資料で紹介されます。
彼の作品は刺激的なものが多いものの、現実を見つめたうえで、そのなかでいかに生きていくか、いかに己を変革することができるか、その可能性の展開を、作品を介した作者と私たちとの関係性のなかで派生するコミュニケーションそのもののうちに見出しています。その意味で工藤の作品は毒々しい見た目とは裏腹に「絶望に効くクスリ」といえます。
なお、本展覧会は東京開催の後、青森での開催が予定されています。
〈東京会場〉
会期 2014年2月4日(火)~3月30日(日)まで
会場 東京国立近代美術館 企画展ギャラリー
入館料 一般850円(600円)、大学生450円(250円)、高校生以下および18歳未満、障害者手帳などをご提示の方とその付添者(1名)は無料
※( )内は20名以上の団体料金
休館日や開館時間など詳細は公式サイトでご確認ください。
〈大阪会場〉
会期 2013年11月2日(土)~2014年1月19日(日)まで
会場 国立国際美術館
観覧料 一般850円(600円)、大学生450円(250円)、高校生以下および18歳未満は無料
※( )内は20名以上の団体料金
※心身に障害のある方とその付添者1名は無料(証明できるものをご提示いただく場合があります)
休館日や開館時間など詳細は公式サイトでご確認ください。
〈青森会場〉
会期 2014年4月12日(土)~6月8日(日)まで
会場 青森県立美術館
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