アート / セミナー

Posted on 2014-11-04
講座「中ザワヒデキから学ぶ 日本現代美術史のABC」  



講師の中ザワヒデキ氏


Editor:蓬田(よも)修一

青山ブックスクールでは美術家・中ザワヒデキ著『現代美術史日本篇 1945~2014』(アートダイバー刊)の刊行を記念し、中ザワヒデキ氏の講座「日本現代美術史のABC~戦後1945年から現在2014年まで日本の現代美術のムーヴメントを追う」を開講します。

「現代美術はよくわからない」
「次から次へとでてくる新しい作家や表現に追いつけない」
と思っている人は多いように感じます。

しかし、日本の現代美術の流れや歴史を知る機会やそれをまとめた書籍は少ないのが現状です。そんな中で、『現代美術史日本篇 1945~2014』は日本の現代美術を体系的に学べる貴重な書籍です。

中ザワ氏は「現在の自分が歴史をつくる」という姿勢で美術史に向き合っています。『現代美術史日本篇 1945~2014』は、戦後1945 年から現在の最新のアートシーンが網羅され、現在進行形で活躍をする作家や表現について現代美術史の流れの中で考えることができる他にはない画期的な試みだ言えます。

そんな中ザワ氏の講座は、美術史をすでに完成されたゆるぎないものとしてとらえるのではなく、今現在の自分の視点から見たときにどのような発見があるのか、どのように解釈できるのか、ではなぜ現在はこのようは表現がでてきているのかなど、積極的かつ能動的に現代美術を考えながら学ぶことができます。

日本の現代美術への理解を深め、その魅力を知ることができる絶好の機会だと言えるでしょう。

[中ザワヒデキさんからのメッセージ]
このたび改訂版として出版する『現代美術史日本篇 1945-2014』には二つの大きな特徴があります。一つは、美術家が書く美術史書であることです。私は、私の作品の最良の解説が美術史であるような作品を作っているつもりです。つまり自作品解説として、美術史を書くのです。

もう一つは、循環史観です。「歴史は繰り返す」という言葉どおり、20世紀初頭以降の美術史はすでに4回目の繰り返しに突入しています。これを語るなら、歴史とは目次のことであると言い切れます。

では「美術家が書く美術史書」であることと「循環史観」はどう切り結ぶのか。……といったことは講座の中で語ることとし、残された字数を、私が考える日本現代美術の魅力の開陳にあてたいと思います。

九州派の菊畑茂久馬の『反芸術綺談』からの一節です。「一生懸命、真面目に描くということが、いかに自分に甘ったれたことか、誠実で糞真面目な絵が、いかに自分をかわいがった欺瞞的な行為か、それが、だんだんよーくわかってきたのです」。この続きは本書改訂版序文ならびに全6回の本講座でどうぞ。お待ちしています。


[カリキュラム]
第1回
2014年12月12日(金)
総論・美術家の美術史書・循環史観
『現代美術史日本篇 1945-2014 改訂版』は私にとって3冊目の美術史書になります。総論では「なぜ、美術家が美術史書を書くのか」について、そして本の中で繰り返し述べてきた「循環史観とは何か」を中心にお話しします。美術史を学ぶことは「現在の目をもって、過去の本質を能動的に読み取る行為」であるということです。

第2回
2015年1月16日(金)
第1章 1945-1954 シュルレアリスムと多様性
第2章 1955-1959 前衛
敗戦後の日本。日本美術会は藤田嗣治に「戦犯画家」のレッテルを貼り国外に追い立てます(第1章)。高度成長。芦屋の吉原治良は「今までになかった絵をかけ」と言って「具体」が始まります。福岡の九州派はゴミを出品しようとして拒否され、アンフォルメル旋風が起こります(第2章)。

第3回
2月13日(金)
第3章 1960-1963 反芸術
第4章 1964-1979 還元主義と多様性
「真摯な芸術作品をふみつぶして行く二〇・六世紀の真赤にのぼせあがった地球に登場して我々が虐殺をまぬがれる唯一の手段は殺戮者にまわることだ」。篠原有司男のネオ・ダダ宣言です(第3章)。松澤宥は「オブジェを消せ」との声を聞き、関根伸夫らは「もの派」と呼ばれます(第4章)。

第4回
3月13日(金)
第5章 1980-1984 脱前衛
第6章 1985-1994 再現芸術
PARCOのイメージ広告の時代。湯村輝彦の「ヘタうま」ブームと日比野克彦の「ダンボール・アート」。ポストモダン(第5章)。関西では森村泰昌がゴッホの自画像に扮し、東京では村上隆が「ランドセル」を作り中村政人が銀座の路上で「ギンブラート」を仕掛けます(第6章)。

第5回
4月17日(金)
第7章 1995-2009 マニエリスムと多様性ところで多様性という言葉は普段は良い意味で使われますが、美術史においては「強いイズム」の不在により沢山の弱いイズムが共存しているだけのつまらない状況かもしれません。20世紀初頭から数えて3番目の「つまらない時代」かもしれない第7章は、しかし今回の本書の改訂でずいぶん増補強化が行われた章でもあります。「悪い場所」「スーパーフラット」「マイクロポップ」がキーワード。私としては「方法」も加えたい。

第6回
5月15日(金)
第8章 2010-2014 搾取前衛
歴史の記述は暴力的です。本来は境目などない時代を区分け、アートか美術かイラストか勝手に名付け、牽強付会な物語へと組み込みます。昔のことならともかく今の時代ならなおさらです。第8章は、今回の本書の改訂で新しく書き下ろされた章です。私の見方では「つまらない時代」に終止符が打たれ、新たな未知の領域へと突入しました。ハンドルネームの年若い表現者たちが一斉に出てきました。そこにフクシマがかぶさります。

[開催詳細]
日程:2014年12月1日(金)〜2015年5月15日(金)/全6回
時間:19:00~21:00
料金:16,200 円(税込) 定員:45 名
会場:本店内 小教室
お申し込み:http://www.aoyamabc.jp/culture/contemporaryart-abc/

[講師プロフィール]
中ザワヒデキ なかざわ・ひでき美術家。1963 年新潟生まれ。千葉大学医学部在学中の1983 年よりアーティスト活動開始(第一期:アクリル画)。卒業後眼科医となるも1990 年、絵筆をコンピューターのマウスに持ち替えイラストレーターに転身(第二期:バカCG)。1997 年、CGの画素を文字等の記号に置き換え純粋美術家に転身(第三期:方法絵画)。2006 年、方法主義では禁じていた色彩を再び使用(第四期:本格絵画、新・方法、第四表現主義)。宣言「方法主義宣言」「新・方法主義宣言」。特許「三次元グラフィックス編集装置」「造形装置および方法」。著書「近代美術史テキスト」「西洋画人列伝」「現代美術史日本篇」。CD「中ザワヒデキ音楽作品集」。

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