出版

Posted on 2010-12-22
パピレスが電子書籍利用動向調査



Writer:蓬田(よも)修一

パピレスは、電子書籍の利用動向調査の結果を発表しました(有効回答数4,651件)。

よく読む電子書籍のジャンルは、約7割(66.9%)が「漫画」。
2番目に多かったのは「小説・ノンフィクション」(22.7%)で、以下、「趣味・生活・雑誌」(7.4%)、「ビジネス・教育」(2%)と続いています。

約1割(436人)が月「1万円以上」購入している 

「今年(2010年1月~11月)で、何冊くらいの電子書籍を読みましたか?」との問いに対しては、「10冊以上50冊未満」(43%)、「50冊以上100冊未満」(18%)の順で、「100冊以上」とした回答も合わせて11%ありました。

電子書籍にかける「ひと月の費用」は、最も多かったのが「1000円以上5000円未満」(52%)のゾーンで、それに続くのが「1000円未満」(22%)。

「1万円以上~10万円未満」も9%おり、なんと「10万円以上」という回答も3名集まりました。
こうした金額は、これからさらなるコンテンツの充実をみるなかで、当然、増加していくものと思われます。

電子書籍を活用するきっかけは「本屋とは違う」魅力? 

「どのような場所で電子書籍を読む機会が多いですか?」と尋ねたところ、「自宅」が91%と圧倒的で、以下、「電車の中」(5%)、「会社・学校」(3%)、「外の飲食店」(1%)と、外出先でよく読む人と回答する人もいました。

「どのようなきっかけで電子書籍を読み始めましたか?」と問うと、目立ったのが本屋との比較。
「子どもが小さくて、本屋でゆっくり本を選べなかったので」(40代女性)、「絶版になった漫画が本屋にはなく、電子書籍ですぐ読めた」(20代女性)、「夜中に読むことが多いが近くに本屋がないため、電子書籍ならいつでも買って読める」(30代女性)など、ネットの利便性・手軽さや、本屋では入手困難な本を読める点も、電子書籍の利用を始めるきっかけとなっているようです。

こうした結果を如実に表しているのが、今年「Renta!」でよく読まれた漫画のタイトルです。冊数ベースで集計すると、NHKの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」で話題になった『ゲゲゲの鬼太郎』第1巻や、手塚治虫さん作で未完に終わった漫画『ガラスの城の記録』など、普通の書店では入手できないような作品がかなりよく読まれています。

その反面、2009年にテレビアニメ化されて話題を呼んだ『まりあ†ほりっく』第1巻も上位にランクされているように、幅広いニーズが見て取れます。

また、「海外在住のため、オンラインで簡単に日本語書籍が読めるメリットは大」(30代女性)「海外に住んでいて、日本の漫画が手に入らないので。転勤族にはありがたい」(20代女性)と海外に住む人からの声や、「家に漫画がかさばらなくて良いと思ったので」(30代女性)「買うと収納に困るから、エコを意識して」(40代女性)と、収納やエコを気にする女性からの声が多く上がりました。

また男性には、「iPadの広い画面で漫画を読みたかったから」(40代男性)とiPhone、iPad、スマートフォンの購入を機に、という声が多く、中には「iPad を購入したので試しに電子貸本を読み始めました」という「70代男性」の意見もあがっていました。

「どんな人に電子書籍をすすめたいですか?」と聞くと、「忙しい人、家が手狭な人」(40代女性)、「電車、バス、新幹線等で移動が多い人」(30代女性)、「本屋が遠い人、買いに行く時間がない人」(30代女性)といった、日本人の生活事情を反映した回答や、「実際自宅療養中に利用したのがきっかけ。入院など療養中の人に」(30代女性)、「文字を拡大して読めるので、年配の方にも」(40代女性)、「子育て中や介護中の方には、手軽に読めて気分転換にもなり良いと思う」(40代女性)と、療養中の人、高齢者、妊娠・子育て中の女性にすすめたいという回答も目立っていました。

【調査期間】2010年11月19日~30日



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