アート

Posted on 2018-10-07
【美術展レビュー】「カタストロフと美術のちから展」 大惨事に果たす美術の役割とは?


“大惨事の描写”と“破壊からの創造”の2部構成
森美術館で「カタストロフと美術のちから展」が開催中です(会期:2018年10月6日から2019年1月20日まで)。これは、六本木ヒルズ森美術館15周年を記念して開催されているものです。

カタストロフとは大惨事のこと。東日本大震災、アメリカ同時多発テロ、リーマンショックなど、世界各地で絶えず、カタストロフは発生しています。

カタストロフは私たちを絶望に追い込みます。しかし、そこから再起しようとする力は、想像力を刺激し創造の契機ともなります。

戦争やテロ難民問題や環境破壊など、問題が山積する今日において、美術がこうした悲劇とどのように向かい合い、私たちが再生を遂げるためにどのような役割を果たすことができるのか--。

今回の展覧会は、負を正に転ずる力学としての美術の力に注目し、その可能性を探ります。

会場は、ふたつのセクションで構成されています。ひとつは「美術は惨事をどのように描くのか-記録、再現、想像」、もうひとつは「破壊からの創造-美術のちから」です。

「幸福」「愛」に次ぐ美術館周年の記念テーマ
森美術館ではこれまで、周年の記念時点において、全人類にとって普遍的なテーマを掲げて展覧会を開催してきました。

2003年の開館記念展では「幸福」をテーマにした「ハピネス」展、10周年を記念した2013年には、「愛」に注目した 「LOVE展」を開催しました

15周年を迎える2018年は「カタストロフ」をテーマに取り上げ、今日の国際社会において美術が果たす役割について改めて問い直します。

今回は、現代美術のスーパースターから注目の若手作家日本初公開の作家まで40組の作品が展示されます。

現代美術界で最も権威ある祭典ベネチアビエンナーレやドクメンタに参加経験を持つトーマス・ヒルシュホーン、モナ・ハトゥム、アイザック・ジュリアン、畠山直哉、宮本隆司といったベテラン作家から、ストリートアート界のスターであるスウーン、加藤翼や平川恒太など気鋭の若手まで、国内外を問わず幅広いその作家が参加します。

ヒワ・Kやヘルムット・スタラーツなど日本初公開となる作家も注目です。

参加しているアーティスト・プロジェクト名(姓のアルファベット順)
シヴァ・アフマディ
アイ・ウェイウェイ(艾未未)
ミロスワフ・バウカ
坂 茂
ミリアム・カーン
CATPC&レンゾ・マルテンス
シェバ・チャッチ
Chim↑Pom
トーマス・デマンド
クリストフ・ドレーガー
藤井 光
フェリックス・ゴンザレス=トレス
畠山直哉
モナ・ハトゥム
平川恒太
トーマス・ヒルシュホーン
堀尾貞治
ハレド・ホウラニ
ホァン・ハイシン(黄海欣)
HYOGO AID ’95 by ART
池田 学
アイザック・ジュリアン
ヒワ・K
加藤 翼
オリバー・ラリック
エヴァ&フランコ・マッテス
宮島達男
宮本隆司
オノ・ヨーコ
ジョルジュ・ルース
カテジナ・シェダー
ヴォルフガング・シュテーレ
ヘルムット・スタラーツ
スウーン
高橋雅子(ARTS for HOPE)
武田慎平
田中功起
ジリアン・ウェアリング
米田知子
ムハマッド・ウチュプ・ユスフ

会場風景(2018年10月5日のプレス内覧会にて撮影)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カタストロフと美術のちから展
会期
 2018年(平成30年)10月6日(土)から2019年(平成31年)1月20日(日)まで
会場 森美術館
入館料 一般1800円、学生(大学生・高校生)1200円、子供(4歳-中学生)600円、シニア(65歳以上)1500円




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