アート / コラム

Posted on 2019-05-30
美術展の鑑賞は会話しながら? だまって?


何人かの読者の方から、美術展の会場における来場者の“おしゃべり”について、以下のようなご意見をいただきました。

「美術館で、私語のうるさい客に困っています」

「美術館へ行くとお喋りをしている人が必ずいます。監視員の方も注意してくれず、イライラしてしまします」

今回は美術館での“おしゃべり”について、少し考えてみたいと思います。

個人的には、友人といっしょに行くときは、作品を前に小声であれこれ話しながら見ることが多いですね。

気のあった友人と、作品についてあれこれおしゃべりしながら鑑賞するのはとても楽しいです。

おしゃべりをすることで、鑑賞が深まりますし、同じ作品を見ているのに、友人が自分が思いも付かないことを言うと、「そんなこと考えていたの~?!」と、友人の新たな一面を発見して面白いことも少なくありません。

少し前、三菱一号館美術館で開催された「パリ?グラフィック―ロートレックとアートになった版画・ポスター展」では、周囲に気兼ねなくおしゃべりしながら作品鑑賞ができるよう、毎月最終月曜を「トークフリーデー」と設定しました。

こうした、おしゃべりをしながら鑑賞できる環境づくりへの試みは、ほかの美術館でも行われているようです。

ところで、かつては、美術展における写真撮影は厳禁でした。

それがいまでは、ソーシャルメディアでの情報拡散が、美術展の認知度や集客力を高めるのに有効であると主催側は気付き、積極的に撮影を許可しています。

マーケティング的な見地から考えれば、おしゃべりをすることが美術展や美術館の価値をあげることになると主催側が判断すれば、おしゃべり解禁は少しずつ、あるいは一気に広がるかもしれません。

ITデバイスの進化、マーケティングの変化、国民の意識などによって、5年後、10年後の美術展の鑑賞の仕方は、予測がつかない部分もあると思います。

“おしゃべり”について話を戻せば、回りの人たちの迷惑になるようなおしゃべりは論外ですが、美術作品をおしゃべりしながら鑑賞するスタイルは、個人的にはもう少し広まってもいいなと思います。
(Media & Communication 蓬田修一)

※2018年(平成30年)6月4日発行「Media & Communication」ニュースメールより

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