アート / 歴史

Posted on 2021-07-08
展覧会レビュー「三菱創業150周年記念 三菱の至宝展」



 


国宝12点・重要文化財31点含む100点余の「三菱の至宝」
東京・丸の内の三菱一号館美術館で2021年(令和三年)6月30日(水)から9月12日(日)まで、「三菱創業150周年記念 三菱の至宝展」が開催中です。

日本の芸術文化の研究・発展のために、三菱創業期の岩崎家歴代社長(初代岩崎彌太郎、2代岩崎彌之助、3代岩崎久彌、4代岩崎小彌太)が集めた、秘蔵コレクション展です。

三菱の創業は1870年(明治三年)、土佐藩の事業を引き継いだ九十九商会の設立に遡ります。

以来三菱は、1945年(昭和二十年)の財閥解体に至るまで、事業を発展させました。

歴代社長は事業だけでなく、当時の学者や芸術家との交流を通じて文化財にも多大な関心を抱き、社会貢献の視野から美術品や古典籍などの収集を行い、それらは現在、静嘉堂文庫および東洋文庫に収蔵されています。

今回の「三菱の至宝展」には、《曜変天目》、 《源氏物語関屋澪標図屏風》、《毛詩》、《太刀 銘 包永(かねなが)》、《史記》などの国宝12点、および重要文化財31点を含む貴重な美術工芸品、古典籍100点余りが展示されています。

三菱創業社長たちが行った、芸術文化の研究発展を通じた社会貢献の歴史をたどりつつ、「三菱の至宝」が一望できる貴重な機会です。

三菱創業150周年記念 三菱の至宝展
会期 2021年(令和三年)6月30日(水)から9月12日(日)まで ※展示替えあり
前期は8月9日(月・振休)まで、後期は8月11日(水)から
会場 三菱一号館美術館
開場時間 午前10時~午後6時 ※入館は閉館の30分前まで
※夜間開館日あり(当面20:00まで) サイトでご確認ください
休館日 月曜日、展示替えの8月10日(火)(ただし、祝・振休の場合、7月26日、8月30日、9月6日は開館)
チケット 一般1900円、高校・大学生1000円、小・中学生無料
公式サイト https://mimt.jp/kokuhou12/
 
写真は、6月29日に行われたプレス内覧会で撮影したものです。
 

《百万塔》(奈良時代、770年)
塔とともに陀羅尼も展示されている。彌之助の法隆寺への支援に対する謝礼として、法隆寺より譲渡されたものだ 


    

「第2章 彌之助―静嘉堂の創設」の会場風景。右奥の壁に彌之助の肖像画がかかっている 


 

俵屋宗達《源氏物語関屋澪標図屏風》(国宝)のうち澪標(みおつくし)
住吉詣に訪れた源氏(牛車)と明石の君(右上に描かれた船)の一行が偶然に出くわす。明石の君は、源氏一行の華麗さに船を下りられず、そのまま浜を去る。画面には、源氏も明石の君も描かれていない 


  

郭象(かくしょう)注、成玄英(せいげんえい)疏『南華真経注疏』(なんかしんけいちゅうそ)
中国・南宋時代(13世紀)に刊行された書物。道家の思想を完成させたといわれる『荘子』(そうじ)の注と疏(注の注釈)を、あわせて記している。古くは金澤文庫に伝来し、現在は静嘉堂所蔵。端正厳格な大字本で、宋版の逸品 


 

岩崎彌太郎《一行書「猛虎一声山月高」》
北宋の詩人兪紫芝(ゆしし、姓を「周」とするものもある)の漢詩「宿蒋山栖霞寺」(蒋山の栖霞寺に宿す)という七言絶句の結句。彌太郎は幼少より漢学をよくした。経書より、史書や詩文を好んだ。書は特に師事した師匠はいないらしいが、勢いのある、のびのびとした筆勢で、人物の大きさを感じさせる。署名にある雅号の「東山」は、晋の詩人謝安石の「東山に遊ぶ」からとったと推測されている 


 

建窯《曜変天目(稲葉天目)》南宋時代 12~13世紀
曜変天目とは、見込みの黒い釉薬の上に浮かぶ大小の斑紋の周囲に、青色あるいは虹色の光彩が現れているものをいう。曜変天目の条件を厳密に満たし、完全な形で現存するものは世界で3点のみで、すべて日本にある(すべて国宝)。この曜変天目はその中でも、最高のものとされている

 
 
    
     




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