アート

Posted on 2021-07-13
東京ビエンナーレ 遠山正道 「時」をテーマにしたインスタレーション



遠山正道氏と彼の作品「Spinout Hours ~ 弾き出された2時間と、そのいくつか」 


銀座4丁目交差点を見下ろすスペースが舞台
東京都内各所を舞台に、2年に1回開かれるアートイベント「東京ビエンナーレ」が開催中です(会期:2021年7月10日~9月5日)。

銀座4丁目交差点にある三愛ドリームセンター9階の展望フロア「RICOH ART GALLERY LOUNGE」を舞台に展開されているのは、スマイルズ代表、遠山正道氏による、「時」をテーマにしたインスタレーションとAR作品の展示です。

遠山氏は1962年生まれ。2000年にスマイルズを設立。同社はSoup Stock Tokyoなど多数ブランドを展開しています。

遠山氏は事業家としてビジネスに携わるとともに、自身でもアート作品を制作。

街に開放されたミュージアム「The Chain Museum」、アートの新たなるプラットフォーム「Art Sticker」などを展開しています。

今回、遠山氏は作品の発表場所として、東京オリンピック開催(1964年)の前年、銀座4丁目交差点に誕生した三愛ドリームセンターを選びました。

東京ビエンナーレに出品されている2作品を紹介しましょう。

Spinout Hours ~ 弾き出された2時間と、そのいくつか
時計の文字盤にある数字は、本来1から12までのはず。でも作品の時計には0から9までしかありません。

この作品が生まれた背景には、こんなフィクションストーリーがあります。

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電子決済が普及し、お釣りの暗算をしなくなったことから、人々は急激に能力を低下させてしまいました。

政府は能力低下した国民に対して、あらゆることを簡便、合理化させようとし、時計の12進法を10進法に改定したのです。

その結果、失われた2時間によって、世の中は合理化したのです。
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本来はあるべき2時間が弾き出されてしまった、新たな世の中。

あなたはこの時計をどう捉えるでしょうか?

作品にはAR(Augmented Reality=拡張現実)技術も組み込みまれていて、スマホを使ったAR鑑賞も楽しめます。

OTM(On the time machine)
1960年代、銀座4丁目の交差点にタイムマシンが何度か出現したといわれています。

当時の人々は、タイムマシンに乗って、行きたい未来を考える習慣を持っていました。

実はその思考習慣が、日本の高度成長期を成した基礎になっていると考えられています。

現代の物理学者、アーティスト、起業家などの成功者の多くに、その思考習慣を持つ者が多いとされ、その思考そのものや人物を指して OTM(On the time machine)と呼ばれています。

この作品は、1962年生まれの遠山氏が高度成長期と自らの起業を重ね合わせ、一人ひとりが自らの未来を創りあげていくための装置として「タイムマシン」を作りました。

会場内には、実際に乗ることができるOTMが3機設置されています。

あなたもOTMに乗って、銀座4丁目の交差点を見下ろしながら、行きたい未来を考えてみるのは如何でしょう。

OTM(On the time machine) 

作品展示概要
期間:2021年(令和三年)7月10日(土)~9月4日(土)
開場時間:12:00~19:00
場所:RICOH ART GALLERY LOUNGE(三愛ドリームセンター9階)
休廊:日・月・祝休
※会期は変更になる場合があります。
※入場は無料・予約不要ですが、インスタレーションの一部に組み込まれているARの鑑賞には「東京ビエンナーレ2020/2021」の有料パスポートが必要です。パスポート購入については下記サイトをご覧ください。
https://tb2020.jp/ticket/

※新型コロナウイルス感染拡大の防止のため、時間帯によって入場人数を制限する場合があります。また、同様の理由で入場時には記名をお願いしています。予めご了承ください。

企画協力:株式会社リコー
物品協賛:セイコーホールディングス株式会社
技術協力:sforzando LLC.

「東京ビエンナーレ」について
東京を舞台に、2年に1度開催する国際芸術祭。世界中から幅広いジャンルの作家やクリエイターが東京のまちに集結し、まちに深く入り込み、地域住民と一緒に作り上げていく新しいタイプの芸術祭です。

本来は2020年に開催予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で開催延期となり、新たに「東京ビエンナーレ2020/2021」として、今回開催されています。

テーマは「見なれぬ景色へ ―純粋×切実×逸脱―」。総合ディレクターの小池一子氏は、テーマについてこう語ります。

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東京の街の中で何かが起こること、それを起こすのはアートだ、ということを告知するキャッチ・フレーズが「見なれぬ景色へ」です。

すでに存在している都市の街並みに思わぬ仕掛けを突きつけて、あ、この景色の変化は何だ?と思わせるのはアーティストの仕事。

また意識もせずになじんできた通り道に違和感を感じたら、それがアートの仕業だったということも起きるでしょう。
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