出版 / 文学

Posted on 2022-07-07
特設展「文芸雑誌からZINE(ジン)へ -古今同ZINE誌-」




新収蔵資料「蜃気楼」全12冊 一挙公開
太宰治(本名・津島修治)が青森中学校時代に編集発行人となり刊行した同人誌。級友や弟の礼治らとともに1925(大正14)年11月に創刊し、1927年2月まで通巻12冊を発行した。太宰はほぼ毎号創作を発表し、編集・校正・原稿の取りまとめに至るまで担当した。全冊揃いでの所蔵は山梨県立文学館のみ。今回が同館初展示。


 
若者の間で広がる同人誌制作
山梨県立文学館で、特設展「文芸雑誌からZINE(ジン)へ -古今同ZINE誌-」が、2022年(令和四年)7月16日から8月28日まで開催されます。

文芸雑誌は、太宰治が青森中学校時代に作品を発表した同人誌「蜃気楼」や、学生時代の芥川龍之介が友人とともに手書きで作った回覧雑誌など、作品発表の場となってきました。

一方、現代では若年層を中心にテーマや表現方法など自由に構成する冊子「ZINE(ジン)」の制作が広がっています。

近代文学を彩ってきた文芸雑誌や、進化を続ける「ZINE」の現状を2部構成で紹介します。

第1部 ZINEって何?ZINEを楽しもう
ZINE(ジン)とは個人やグループが好きなテーマを自由な手法で冊子にまとめたものです。

小説や詩、短歌、俳句、写真やイラストなど、ジャンルや表現方法は問いません。

海外では自己を表現するためのメディアとしてSNSと同様に人気があり、日本でも若年層を中心として創作の輪が広がっています。

第1部では、ZINEについて知ってもらうために、ZINEの作り方をはじめ、音楽、ファッション、地域、食など多彩なテーマで作られた県内外のZINEを紹介します。

第2部 芥川龍之介と太宰治の同人誌
学生時代の芥川龍之介や太宰治は、同人誌に小説などを発表し、仲間の作品に刺激を受けながら創作に励んでいました。

また自ら中心となって雑誌を発行し、編集やデザインに手腕を発揮することもありました。

近代文学を代表するふたりの作家の草創期の活躍が見られる文芸雑誌を紹介します。

特設展「文芸雑誌からZINEジンへ -古今同ZINE誌-」
会場 山梨県立文学館 展示室C
会期 2022年7月16日(土)~8月28日(日)
休館日 月曜日(7月18日、8月15日は開館)、7月19日(火)
開館時間 展示室:午前9時~午後5時(入室は午後4時30分まで) 閲覧室:午前9時~午後7時(土・日・祝日は午後6時まで)
観覧料 一般330円(260円)、大学生220円(170円) ※常設展観覧料で見られます。 
※( )内は20名以上の団体料金・県内宿泊者割引料金
※高校生以下の児童・生徒、65歳以上の方、障害者手帳をご持参の方、及びその介護をされる方は無料
 
 

吉田朝麻 編集「日常茶飯ZINE」vol.0号 2021(令和3)年11月
2021年に静岡県掛川市で開催された「かけがわ茶エンナーレ」の事業の一環として、一般参加者が書いたページを、アーティスト吉田朝麻氏が一冊に編集したZINE。


 
 

永田結花「春と夏 2017-2018」 2018(平成30)年8月


 
 

太宰治 編集・発行「蜃気楼」創刊号 1925(大正14)年11月 山梨県立文学館蔵


 
 

芥川龍之介の回覧雑誌「日の出界」
江東尋常小学校時代に芥川が中心となって自身と級友たちの創作原稿を集め編集、1冊にまとめて回覧し、皆で楽しんだ。芥川の著作に「冒険小説 不思儀」「ウェールカーム」などの作品がある。


 
 
         




 

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