アート

Posted on 2022-12-23
【展示会レビュー】六本木クロッシング2022展:往来オーライ!



「六本木クロッシング2022展」展示風景。手前の彫刻作品は青木千絵の「BODY」シリーズ。後ろの壁にはO JUNの絵画作品が並ぶ


コロナ禍で途絶えた人々の往来を再び取り戻したい!
六本木の森美術館で、現代アートの展覧会「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」が開催中です。

「六本木クロッシング」は、日本の現代アートシーンを総覧する定点観測的な展覧会として、2004年以来3年に一度開催してきたシリーズ展です。

第7回目となる今回は、日本のアーティスト22組の作品約120点が紹介されています。

この展覧会の開催意義について、主催者側が発表したステートメントを、以下に見てみましょう。(同展ホームページより)

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長引くコロナ禍により私たちの生活は大きく変化し、これまで見えにくかったさまざまな事象が日本社会の中で顕在化しました。
 
以前はあたりまえのように受け入れていた身近な物事や生活環境を見つめ直すようになったり、共にこの怒涛の時代を生きる隣人たちの存在とその多様さを強く意識するようになりました。

そして今後、人流が回復し新たな文化の展開が期待されるなか、あらためて現在の「日本」にはさまざまな民族が共生し、この地に塗り重ねられた歴史や文化が実はすでに色とりどりであることについて、再考が求められるでしょう。

その先に私たちはどのような未来を想像し、また共に作っていくことができるのでしょうか。

サブタイトルの「往来オーライ!」には、歴史上、異文化との交流や人の往来が繰り返され、複雑な過去を経て、現在の日本には多様な人・文化が共存しているという事実を再認識しつつ、コロナ禍で途絶えてしまった人々の往来を再び取り戻したい、という思いが込められています。

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会場には、絵画、彫刻、映像、インスタレーションなどいろいろな形態の作品が展示されています。

作品を鑑賞しながら、上記ステートメントにある日本の多様性に考えをめぐらすのも良いですし、純粋に現代アート作品の魅力を感じるのも良いでしょう。

見る人の感性を刺激してくれる作品が多く、若い人から年配まで楽しめる展覧会です。
 
 
六本木クロッシング2022展:往来オーライ!
会場 森美術館
会期 2022年(令和四年)12月1日(木)から2023年(令和五年)3月26日(日)まで ※会期中無休
開館時間 月・水~日:午前10時~午後10時、火:午前10時~午後5時
※ただし1/3(火)・3/21(火・祝)は午後10時まで
※入場は閉館時間の30分前まで
入館料(当日窓口・オンライン) 平日:一般1800円・1600円、学生(高校・大学生)1200円・1100円、子供(4歳~中学生)600円・500円、シニア(65歳以上)1500円・1300円、土・日・休日:一般2000円・1800円、学生(高校・大学生)1300円・1200円、子供(4歳~中学生)700円・600円、シニア(65歳以上)1700円・1500円
※事前予約制(日時指定券)です。日時指定券は専用オンラインサイトから購入可能です。
※当日、日時指定枠に空きがある場合は、事前予約なしで入館できます。
※1/3日(火)は土・日・休日料金です。
※本展のチケットで「MAMコレクション016:自然を瞑想する―久門剛史、ポー・ポー、梅津庸一」「MAMスクリーン017:ナンシー・ホルト、ロバート・スミッソン」「MAMプロジェクト030×MAMデジタル:山内祥太」にも入館可能です。東京シティビュー(屋内展望台)、スカイデッキ(屋上展望台)、森アーツセンターギャラリーへの入館は別料金です。

※写真は11月30日に行われたプレス内覧会で撮影したものです。
 

横山美奈「Shape of Your Words」シリーズ 2022年
家族や友人ら身近な人に「LOVE」という言葉を手書きしてもらい、手書きに忠実なネオンサインを発注。そのネオンサインを写実的に描いたもの


 

市原えつこ《未来SUSHI》 2022年
未来の寿司消費に対して作家が抱く懸念から生まれた作品


 

やんツー《永続的な一過性》 2022年
無人搬送車が美術作品の搬入、設営、撤去をし続けるインスタレーション


 

SIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD 《rode work ver.Tokyo》 2018/2022年
都市の風景から着想を得て、夜間工事用の照明機材を使って制作


 
 
 




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