アート
Posted on 2024-02-08
「遠距離現在 Universal / Remote」 資本と情報が世界規模で移動する今世紀の在り方をアーティストはどう捉えているか?

2024年(令和六年)3月6日(水) から6月3日(月) まで、東京・六本木の国立新美術館で、現代美術のグループ展「遠距離現在 Universal / Remote」が開催されます。
20世紀後半以降、人、資本、情報の移動は世界規模に広がりました。
2010年代から本格化したスマートデバイスの普及とともに、オーバーツーリズム、生産コストと環境負担の途上国への転嫁、情報格差など、グローバルな移動に伴う問題を抱えたまま、私たちは2020年代を迎えました。
そして、2020年に始まった国境のないパンデミックにより、人の移動が不意に停止されたものの、資本と情報の移動が止まる気配はありませんでした。
かえって、資本や情報の本当の姿が見えてくるようになったと思えます。
豊かさと貧しさ。強さと弱さ。私たちの世界のいびつな姿はますます露骨に、あらわになるようです。
展覧会タイトル「遠距離現在 Universal / Remote」は、資本と情報が世界規模で移動する今世紀の状況を踏まえたものです。
監視システムの過剰や精密なテクノロジーのもたらす滑稽さ、また人間の深い孤独を感じさせる作品群は、今の時代、あるいはポストコロナ時代の世界と真摯に向き合っているようにも見えます。
「Pan- の規模で拡大し続ける社会」と「リモート化する個人」の2つを軸に、このような社会的条件が形成されてきた今世紀の社会の在り方に取り組んできた8人と1組の作品が紹介されます。
出展アーティストは次の通りです(展覧会企画構成順)
井田大介
徐冰(シュ・ビン)
トレヴァー・パグレン
ヒト・シュタイエル
ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ
ミロス・トラキロヴィチ
地主麻衣子
ティナ・エングホフ
チャ・ジェミン
エヴァン・ロス
木浦奈津子
ニューヨークと北京を拠点として世界的に活躍する現代美術の巨匠、徐冰(シュ・ビン)による初の映像作品をはじめ、2010 年代より現代美術の動向をリードしているヒト・シュタイエル(ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ、ミロス・トラキロヴィチとの共同制作)、最先端の科学技術と現代美術を融合するトレヴァー・パグレン、多様なメディアにおける芸術制作にハッカーの哲学を応用するエヴァン・ロスによる作品が、国立新美術館の展示空間に展開されます。
フォト・ジャーナリズムとアート・アクティヴィズムの領域を横断するデンマークの写真家ティナ・エングホフ、韓国の新進気鋭の映像作家チャ・ジェミンは本邦初紹介です。
また、本展の2つのキーワードをまたがる地主麻衣子の映像作品、本展のために作品を再構成した井田大介、そして木浦奈津子の新作群が展示されます。
遠距離現在 Universal / Remote
会期 2024年3月6日(水)~6月3日(月)
休館日 火曜日 ※ただし4 月30 日(火)は開館
開館時間 午前10時~午後6時 ※金・土曜日は午後8時まで ※入場は閉館の30分前まで
会場 国立新美術館 企画展示室1E
観覧料 一般1500 円、大学生1000 円
※高校生、18 歳未満の方(学生証または年齢のわかるものが必要)は入場無料。
※障害者手帳をご持参の方(付添の方1 人含む)は入場無料。
問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
国立新美術館ホームページ https://www.nact.jp
巡回情報 広島市現代美術館 [会期:2024年6 月29 日(土)~9月1日(日)]
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