歴史 / 宗教・信仰

Posted on 2024-07-26
聖書の展覧会と子どもミュージアム 2展同時開催 古代オリエント博物館


サンシャインシティ(東京・池袋)にある古代オリエント博物館で「聖書の世界~伝承と考古学~」と「古代オリエントをたのしむ!子どもミュージアム」の2展が同時開催中です(会期:2024年7月13日~9月8日(日))。

聖書の世界と古代オリエントの歴史が同時に楽しめるお得な企画です。

この夏は、おとなも子どもも、古代オリエントの世界に浸ってみませんか。

聖書の世界 ―伝承と考古学―
「聖書」は世界で最も広く読まれていると言われています。

「旧約聖書」「新約聖書」の2種類がありますが、そこにはいつ、どこの、何が書かれているのでしょうか。

「聖書」に語られる時代の人々は、どのような暮らしをしていたのでしょうか。

なぜ聖書は時代を越えて伝承され、今も読み継がれているのでしょうか。

そして、聖書の時代の遺跡はどうやって発掘され、研究されているのでしょう。

今回の展覧会では、各時代の聖書から聖書にまつわる考古資料、「聖書の地」の発掘調査の様子までを展示し、聖書をどのように継承され、こんにちに至ったかを紹介しています。

聖書が成立したのは、主に現在のイスラエル国とパレスチナ暫定自治区が存在するパレスチナ地域です。

この地域は、現在も安定からは程遠い状態が続いています。

歴史や宗教は繰り返し政治的主張に利用されてきました。

今回の展覧会で扱っているのは主に古代の話ですが、展示作品を見ることで、現在起きている出来事の理解の一助になることでしょう。

古代オリエントをたのしむ! 子どもミュージアム
「古代オリエントをたのしむ!子どもミュージアム」展が、上記の「聖書の世界」展と同時開催中です。

今回が2回目となる子どもミュージアム展は、古代オリエント博物館の館蔵品を用いて、小中学生も古代オリエント世界の魅力がわかりやすく楽しめるよう紹介する特別展です。

会場はオリエントの旧石器時代からひもとき、シリア、エジプト、イラン、メソポタミアなど各地域およびシルクロードに関する考古資料を展示しています。

展示品の近くには、古代オリエントで発明された道具や技術を、実際に触ったり使ったりできる体験できるコーナーも設置しています。

小中高生の来館者のうち、希望者には古代オリエント博物館特製ミュージアムノートが無料配布されます。

これを使えば、古代オリエントの「暮らし」「文字」「神様」を楽しみながら学ぶことができ、夏休みの自由研究としても活用できます。

展示品は子どもだけでなく、おとなが見てももちろん見ごたえ十分です。

展示解説パネルは子ども向けとおとな向け(一般向け)の両方が設置されています。「古代オリエントをたのしむ!子どもミュージアム」

おとなも子どもも楽しめる展覧会です。

2024年度 夏の特別展(2展同時開催)
「聖書の世界~伝承と考古学~」
「古代オリエントをたのしむ!子どもミュージアム」
会場
 古代オリエント博物館(池袋サンシャインシティ文化会館ビル7F)
会期 2024年7月13日(土)~9月8日(日)
開館時間 午前10時~午後5時(最終入館午後4時30分)※変更の可能性あり
入館料 一般1000円、大・高生600円、中・小生300円 ※団体割引・障害者割引あり
聖書の世界~伝承と考古学~ 
https://aom-tokyo.com/exhibition/240713bible.html
古代オリエントをたのしむ!子どもミュージアム 
https://aom-tokyo.com/exhibition/240713_children.html

≪取材メモ≫
展示品を見て古代の姿を自由に思い描いてみよう!

以下の写真は、7月11日に行われたプレス内覧会で撮影したものです。

会場は2展示会場とも、一部撮影禁止の展示品を除き、来場者による撮影はOKです。

パレスチナと日本は遠く隔たっていますが、キリスト教・ユダヤ教と日本の信仰とは、類似点がいくつもあります。

オリエントの地と日本も遠く離れていますが、展示品からお互いにどのような交流があったのかを考えるのは楽しいです。

パレスチナもオリエントも日本も、古代のことはまだまだ分からないことがたくさんあります。

展示品を見たり、解説パネルを参考にしながら、古代の姿を自由に考え想いを巡らすことは、とても刺激的だと取材して感じました。(編集部 蓬田修一)

 

展示会場風景

以下は7月11日に行われた報道関係者向け内覧会で撮影したものです。

「聖書の世界~伝承と考古学~」から紹介いたします。

会場入り口には、主催者挨拶と聖書関連都市や古代遺跡の地図がある
死海写本の巻物(複製)。現品は紀元前2世紀~後1世紀。1947年にパレスチナ・ヨルダン川西岸で偶然発見された。現在までで最古の旧約聖書写本聖書である
ネプカドネツァル2世碑文。紀元前6世紀初頭。高さ約22センチ。ユダ王国を滅ぼし「バビロニア捕囚」を行った新バビロニア王の碑文。都バビロンを修復し、バビロニアの諸都市で神殿を修復したことを記している
ウェスパシアヌス帝銀貨。ローマ帝国で70年に、ユダヤ戦争の勝利を記念して発行された。右側に座っているのはユダヤ人捕虜。ローマの攻撃でエルサレム神殿は破壊された。現在その跡地は「嘆きの壁」と呼ばれている。聖書考古学を代表する伝説のコイン
旧約聖書列王記。13世紀にパリで製作された、羊皮紙のラテン語聖書。大きさは縦33センチ。余白が大きくとられ、ここには補足や注釈が書き込まれている
イシス・アフロディーテ女神像。イシスはエジプト由来の女神であり、アフロディーテはギリシア由来の女神。アフロディーテが持っていた豊穣女神の側面が習合により強調された女神
展示の様子。歴史的に貴重な聖書や聖書にまつわる考古資料を見ることができる

以下は、「古代オリエントをたのしむ!子どもミュージアム」の会場のもようです。

会場構成は「シリアの発掘」の展示から始まる
実際に触って展示内容を体感できるコーナーが随所に設置されている。
円筒の側面に文様や図像が彫刻されているハンコ(円筒印章)。円筒の側面を転がしながら押すことで、文様や図像が連続して転写する。円筒印章の実寸大レプリカを使って、粘土に押す体験コーナーも設置されている
3つの顔面が彫られている「三面神浮彫」。紀元前1800~1700年のもの。シリアで出土したと考えられている
会場の展示風景



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