クリエイティブ / 書籍・雑誌案内

Posted on 2012-09-26
話題の本 「なぜデザインが必要なのか -世界を変えるイノベーションの最前線-」 問題解決へのデザインアプローチ138件を掲載


Writer:蓬田(よも)修一

本書には、現在、世界中で起こっている様々な問題への解決策が提示されています。その根本にあるのが「デザイン的思考」です。

一般的に「デザイン」という言葉は、外見の美しさを追求する「グラフィックデザイン」や「プロダクトデザイン」と捉えられがちですが、実はもっと広い意味をもっています。

「問題解決のためのアプローチ」という捉え方がより適切でしょう。

本書で紹介されているデザインは、エネルギー、移動性(モビリティ)、コミュニティ、素材、豊かさ、健康、コミュニケーション、シンプリシティの8分野・138件にのぼる問題解決のためのアプローチです。

本書のもととなったのは、2010年にニューヨークのクーパーヒューイット国立デザイン博物館で開催された「なぜ今デザインなのか?」展です。

展覧会では、問題解決のためのデザインが、専門キュレーターによって44カ国から選ばれ展示されました。

この本には、そこで展示された138のデザインがすべて掲載されています。すでに実用化されているものもあれば、実験的なアイデアもあります。

こうしたデザインを考えたのは、デザイナー、エンジニア、企業家、普通の市民といった人たちです。

日本からも、ホンダの足だけロボット、日本文化の感性が活かされた紙食器「WASARA」などが掲載されています。

全ページカラーで、138のデザインプロジェクトがそれぞれテキストとビジュアルで説明されています。

ページをめくると、次々と現れるデザイン・イノベーション。デザインの持つ力や可能性に関心のある人には、おすすめの1冊です。

発行:英治出版
著者:エレン・ラプトン カーラ・マカーティ マチルダ・マケイド シンシア・スミス
訳者:北村陽子
定価:2,520円


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