アート

Posted on 2017-10-31
【美術展レビュー】パリ♡グラフィック-ロートレックとアートになった版画・ポスター展


中庭から見た三菱一号館美術館。


世紀末パリの「グラフィック・アート」を検証
2017年(平成29年)10月18日(水)から2018年(平成30年)1月8日(月)まで、東京・丸の内の三菱一号館美術館で「パリ♡グラフィック―ロートレックとアートになった版画・ポスター展」が開催中です。

19世紀末のパリ、様々な芸術運動が勃興するなか、版画は新たな芸術表現を切り柘く重要なメディアとなりました。

それまで単に複製や情報伝達のための手段でしかなかった版画は、トゥールーズ=口ートレックや世紀末の前衛芸術家たちにより、絵画と同じく芸術の域まで高められ、それらを収集する愛好家も出現しました。

一方、大衆文化とともに発展したポスター芸術をはじめ、かつてないほど多くの複製イメージが都市に溢れ、美術は人々の暮らしにまで浸透しました。

世紀末パリにおいて、「グラフィック・アート」はまさに生活と芸術の結節点であり、だからこそ前衛芸術家たちの最も実験的な精神が発揮された、時代を映すメディアであったと言えるでしょう。

本展はこうした19世紀末パリにおける版画の多様な広がりを検証するものです。

三菱一号館美術館およびアムステルダムのファン・ゴッホ美術館の貴重な19世紀末版画コレクションから、リトグラフ・ポスター等を中心に、油彩・挿絵本等を加えた計約140点が展示されています。

以下は、2017年10月17日に行われたプレス内覧会での会場風景です。

当日行われた説明会(下の写真)には三菱一号館美術館館長の高橋明也氏のほか、ファン・ゴッホ美術館館長のアクセル・リューガー氏や同展覧会の監修者でファン・ゴッホ美術館版画・素描部門学芸員のフルール・ルーサス・ローサ・ド・カルヴァジョ女史が参加しました。

ゴッホは浮世絵だけでなく、パリのポスターやアート作品も集めていたのだそうです。

 


入ってすぐは、エリク・サティの曲が流れています。音楽はここだけですが、新鮮に感じました。

作品を見ながら移動すると、当時のパリの街の写真で造作された空間に入ります。ここは撮影可能なエリアで(他は撮影不可です)、気に入った作品を撮ったり、一緒に写したりできます。いすもあるので、ゆったりパリジャンの雰囲気も味わえるでしょう。(下の写真2枚)

 


 


下の写真のように、暖炉のわきにさりげなく展示されていると、作品がより近しいものに感じるように思います。

 


写真撮影のコーナーです。

 


毎月最終月曜は「トークフリーデー」が実施されます。この日は声の大きさを気にせず、作品の感想を自由に話しながら鑑賞できるので、子ども連れの方にもおすすめです。

また、第2水曜はアフター5女子割も設定されています。
(TEXT/PHOTO:編集部 宮川由紀子)

パリ♡グラフィック-ロートレックとアートになった版画・ポスター展
会期
 2017年(平成29年)10月18日(水)から2018年(平成30年)1月8日(月)まで
会場 三菱一号館美術館
入館料 一般1700円、高校・大学生1000円、小・中学生500円
[アフター5女子割] 第2水曜17時以降/当日券・一般(女性のみ) 1000円




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