アート

Posted on 2019-11-07
「鏑木清方 幻の《築地明石町》特別公開」 東京近代美が新収蔵を記念し特別展示



  


44年間所在不明の名作をお披露目
2019年(令和元年)11月1日(金)から12月15日(日)まで、東京・竹橋の東京国立近代美術館・所蔵品ギャラリー第10室で「鏑木清方 幻の《築地明石町》特別公開」が開催中です。

東京国立近代美術館が今年6月、鏑木清方(1878-1972)の《築地明石町》(1927年)、《新富町》(1930年)、《浜町河岸》(同)の三部作を収蔵したのを記念して企画された特別展示です。

《築地明石町》は、歴史に残る近代日本画の名作であるにもかかわらず、1975年(昭和50年)以来44年もの間、所在不明となっていて、「幻の名作」と言われていました。

会場ではこの三部作のほか、《三遊亭円朝像》(1930 年、重要文化財)や《明治風俗十二ヶ月》(1935年)など、同美術館所蔵の清方作品もあわせて展示されています。さらに、清方が小説家・川口松太郎に贈った《鶴八》(制作年不詳)が特別出品されています。

会場を入るとまず右手に《鶴八》があり、《明治風俗十二ヶ月》が続きます。そして、新収蔵の三部作は中央に展示されています。

清方は市井の人々の暮らしを描いた画家で、その作品には決まって季節のうつろいを示す風物が添えられているといいます。

会場に置いてある出品リストに書かれた文章には「清方の作品をさらに味わうコツは、描かれた細部をすみずみまで徹底的に読み込むことです」とあります。

展示室は籐製のスツールや畳が置かれた落ち着いた空間になっていて、じっくり作品と向き合って、描かれた細部をすみずみまで読み込むのにぴったりです。

鏑木清方について
東京神田に生まれ、挿絵画家として画業をスタートさせました。美人画で上村松園(1875-1949)と並び称されています。1927年に発表された《築地明石町》は帝国美術院賞を受賞した作品で、清方を名実ともに日本を代表する画家のひとりに押し上げました。

鏑木清方 幻の《築地明石町》特別公開
会期
 2019年(令和元年)11月1日(金)から12月15日(日)まで
会場 国立近代美術館 所蔵品ギャラリー第10室
入場料 一般800円(600円)、大学生400円(300円)、高校生以下および18歳未満は無料
※( )内は20人以上の団体料金。

写真は、10月31日に行われた内覧会での会場のもようです。

  


 

  


 

  


 
(写真・テキスト 宮川由紀子) 
 
 




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